事例紹介

JSY邸

敷地は、整然と区画された住宅地の中にある約60坪の整形地です。前面道路がやや狭く、周囲も家に囲まれていますが、南道路の恵まれた条件なので、日当りは申し分ありません。
夫婦お2人で暮らす家ですが、客間となる和室、書斎となる和室を設け、小さな吹抜けもあるので、広さを感じる空間です。玄関は全面洗い出し仕上げの土間床で、板張りの天井が収納室まで連続します。そして2本の障子を戸袋に引き込めば、玄関もリビングの一部に取り込まれます。
奥様が料理関係の仕事をしているため、キッチン回りもこだわりました。オープンなステンレスのフラットキッチンに、背面収納はカウンター下だけで、上は飾り棚のみのシンプルな造りです。ハーフユニットを使った桧板張りの浴室からは坪庭が眺められ、海から戻った時は、洗面脱衣室の勝手口から出入りします。
庭に面する1階南側にぐるっと縁側を回している点も大きな特徴で、開口部には障子が入ります。屋根の構成や外壁の色、玄関の木製格子戸など、和を濃厚に感じさせる落ち着いた佇まいの住宅です。

完成

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漆喰塗り

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漆喰の性能の中でも特筆すべきなのが調湿作用で、「呼吸する壁」とも言われています。また、ざらざらとした質感でコテ跡を残す珪藻土とは違い、コテで押えて平滑に仕上げる漆喰は清廉な印象を与えます。左官仕事としての熟練度も必要になります。

パテ処理

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内部の木工事が終わると、仕上工事に入ります。壁と天井の石膏ボードにはビス穴で凹凸ができるため、まずはこの凹凸を平滑にするパテ処理から始めます。

木工事(手摺り)

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吹抜け周りの手摺りが完成しました。1階と2階の空間的なつながり、採光や通風の良さを考えて、抜け感のある手摺りにしています。柱に貫を通す伝統的かつシンプルなデザインです。

桧風呂

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浴室はハーフユニットを採用し、壁と天井は桧板張りです。桧風呂には沢山のメリットがありますが、代表的なのは「リフレッシュ・リラックス効果」です。また腐朽やカビを防ぐために、保護塗料を塗ります。

縦胴縁

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断熱材の上に縦胴縁を取り付け、その上にサイディングを施工します。縦胴縁の厚み部分が通気層となり結露を防止する効果があります。

石膏ボード

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下地となる横胴縁の上に、石膏ボードを張ります。石膏ボードとは、結晶水が含まれた石膏を、石膏ボード用原紙で固めた板状の建築用内装材料で、防火性、遮音性、寸法安定性、工事の容易性等の特徴をもち、壁、天井などに広く用いられています。

断熱材(ポリスチレンフォーム)

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ポリスチレンフォームは発泡プラスチック系の材料でつくられてるので、水や湿気に強く、断熱性能も高いのが特徴です。

養生

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内部の大工工事も進んでいます。化粧の柱や枠材は、傷が付かないように青い養生材で保護します。

屋根

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屋根は、ガルバリウム鋼板の瓦棒葺きです。ガルバリウム鋼板は、アルミを含んだメッキ処理にすることで、従来の鋼板よりも耐久性に優れています。

野縁(のぶち)

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梁下に取り付けられた細い木材は野縁(のぶち)という下地材です。ここに天井板などを打ち止めます。

エアサイクル工法

このお宅はエアサイクル工法を採用しています。

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床下換気口は気温によって開閉する仕組みのため、春から秋は風を取りいれ、冬は外気を遮断します。

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床下に入った空気は、ダイヤカットした断熱材の空気層を流れます。壁の中の木材が空気に触れて乾燥するため、木部の腐れや白アリの発生を防ぎます。

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天井裏にあるエアオープナーを開くことで、熱気を外に逃がし、夏でも機械に頼らず温度と湿度をコントロールすることが出来ます。また、壁内の空気が動くことによって、冬でも部屋ごとの温度差が少なくなり、ヒートショック対策にも効果的です。

※ヒートショックとは、温度の急変で体がダメージを受けることです。急に真夏の炎天下に出た時や、暖房の効いた部屋から寒い廊下に出た時などに起こります。

金物検査

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上棟後、構造材の継手・仕口を金物で補強します。そして、金物の種類や取付場所が図面通り正しいかを、現場監督が細かいところまで慎重にチェックしていきます。

上棟

いよいよ上棟です。この住宅は2人の大工で担当しますが、この日は合計9名の大工が集まりました。

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昔からやっているメンバーなので、チームワークが良く、指示されなくても自ら率先して作業に当たります。そこに無駄な動きはありません。

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この合板と垂木の間が通気層になっています。

この日は天候にも恵まれ、無事に作業を終えることが出来ました。

土台敷き

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基礎の上に土台を敷きました。土台は構造材の中で最も地盤に近く、シロアリの被害にも遭いやすいので、耐久性の高いヒノキを使い、基礎パッキンも使用します。
当社は神奈川県の木材を使うことで、地域環境に貢献しています。地産地消によるメリットは、県産材の需要が増加すれば、県の林業が活性化し、地域経済の発展にも寄与します。また、木材輸送のエネルギーを大幅に削減することができます。

基礎完成

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建物を支える大事な基礎の工事が完了しました。地中梁で強度を保つことで、基礎内部の立上り部分(コラムベース)を独立型形状にすることが可能となり、通気性とメンテナンス性が格段にアップします。

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神奈川エコハウスは主に基礎断熱を採用しています。基礎断熱とは、基礎の底辺と内側に沿って断熱材を貼ることで、外気が床下に入ってこないため、床下と室内の温度を同じに保つことができます。メリットとしては、家全体の気密性が確保しやすいことと、床断熱に比べ施工が比較的簡単な点が挙げられます。

コンクリート打設

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コンクリート打設を行います。搬入されたコンクリートの品質をチェックする方法の一つがスランプ試験です。スランプ試験とは、スランプコーンに生コンクリートを入れ、垂直上にスランプコーンを抜き取り、コンクリート頂部の高さが何センチ下がったのかを測定することです。この数値が高いほどコンクリートの流動性が高いため、施工性が良くなる反面、強度はやや落ちます。

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その後、コンクリート打設を行います。生コンクリートを型枠の中に流し込みますが、流し込みの際、バイブレーターで生コンを撹拌します。バイブレータで振動を与えることで、隅々までしっかりとコンクリートが充填されます。

配筋検査

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鉄筋の組み立てが終わりました。コンクリートを打設する前に、鉄筋が図面、仕様書通りに出来ているかをチェックする配筋検査を行います。
検査内容には、鉄筋の種別、鉄筋の間隔、鉄筋径、かぶり厚さ等のチェックがあります。この検査は、基礎の耐久性に影響する非常に重要なものなので、入念に行わなければなりません。

捨てコンクリート

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基礎をつくる位置に印をつけて型枠を正確に設置するために、捨てコンクリートを打ちます。捨てコンクリート打設によって基礎底面を平らに均し、鉄筋の高さを揃えることができます。

遣り方

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遣り方とは、正確に建物の位置を決めるための作業です。
この板は「水貫」と呼ばれますが、レベルなどを使用して、GL(基準となる高さ)から一定の高さに水平に設置していきます。


地縄張り

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地縄とは、建物が敷地に対してどの位置に建てられるのか、配置を確認する縄のことであり、作業のことも指します。建物の柱芯に縄を張り、目視できるようにします。

地鎮祭

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地鎮祭は、土地の神に対して建築工事の報告とその許しを得るための儀式で、工事の安全は基より、ご家族やご新居への末永いご加護を頂けるよう、お祈りする神事です。