事例紹介

MTS邸

以前より、神奈川県の木で家を建てるのを理想と考えていた建て主が、「神奈川の木で家をつくる会」を主催している当社のことを知り、とんとん拍子で話が進みました。
敷地は、川沿いに田園風景が広がる長閑な場所ですが、川が増水して溢れると道路や敷地の低い所が冠水してしまうとのこと。山側の少し高い部分に家を建てる必要があります。また現在お住まいの建物は、太い柱や梁で組まれた築100年の古い民家ですが、断熱・気密性がないので冬は寒く、東向きに建っているため日中は薄暗いことが問題でした。
「他の家に住んだことが無い」というご夫婦は、これまでの生活や空間体験を頼りに、自分たちで間取りを考えて来られました。それは中央に中廊下があり、リビングとダイニングも分かれて小さな部屋が集まった間取りだったのですが、風通しを阻害する「中廊下」と、居間から出る勝手口だけは変更し、他はできるだけその意思を尊重することにしました。また、使われていた大阪格子戸(ケンドン障子を取り外しできる格子戸)を再利用するなど、旧家の記憶を新しい暮らしの中に継承する住まいです。

完成

■リビング
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■リビング
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■寝室2
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■玄関・仏間
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■キッチン・洗面室
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■小屋裏納戸・寝室1
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石工事

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玄関ポーチには300角の黒御影石を敷きました。落ち着いた表情で、建物全体の雰囲気によく合っています。

仕上げ工事

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寝室や仏間に旧家で使われていた建具を再利用しました。寝室と仏間の入口は「大阪格子戸」です。夏場は小障子を取り外し、風を通す格子戸にして使うことができる優れた建具です。寝室の押入れは、既存の板戸に合わせて二段構えにしました。

濡縁

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桧の濡縁が完成しました。軒が深いので、雨に濡れにくい「濡縁」です。雨戸の戸袋も桧の造作です。

仕上げ工事

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仕上げ工事に入りました。リビング・ダイニングの天井はエコロジー壁紙仕上げです。帯状や斑点に塗られたように見える天井の白い部分はパテです。天井にクロスを貼る前に、石膏ボードの目地やビスの頭をパテで埋めて段差をなくし、平滑な下地を作ります。
そして、身体に安全な天然のでんぷんのりを使って、エコロジー壁紙を貼っていきます。

飾り棚

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玄関から廊下に入ってすぐ右手に2段の飾り棚を設けました。3尺幅だと窮屈に感じられる廊下を、少しだけ広く見せる工夫です。裏側に寝室のクローゼットがあるため、無理なく広げることができました。

木工事

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寝室に杉無垢板を張ったクローゼットが完成しました。

木工事

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天井や壁に石膏ボードが貼られました。ボードを貼るまでは視線が抜けてしまうので、なかなか壁や天井をイメージできませんが、ここまで来ると随分部屋らしくなってきます。

外壁

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外壁は、スタッコフッレクス吹き付け仕上げです。
スタッコフレックスが持つ伸縮性能により、従来の塗り壁材で発生していたクラックの問題を最小限に抑えることができる、超弾性塗り壁材です。純白で不純物を含まないカルシウムサンドの骨材と、弾性アクリルエマルジョンの配合により耐久性を高めている塗装材です。

木工事

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木工事も順調に進み、間仕切り壁の下地や建具枠が入りました。お引き渡しまでの間に柱を傷付けないように、青い養生カバーを取り付けます。


木工事

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トイレの床には、カバザクラの無垢フローリングを張っています。
フローリングの隙間に挟んである緑色のものをスペーサーと呼びます。木材は湿度によって若干の伸縮があり、それらを吸収するためにスペーサーを挟んで、あらかじめ少し隙間をもたせて床を張ります。


防水

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サッシ枠の周りに防水処理を施します。特に下部は小さな隙間から水が入りやすいので、専用の防水シートで対策をします。折角のエアサイクルも、部材間や貫通部に隙間ができてしまうと、うまく機能しません。すべての隙間を発砲ウレタンや防水気密テープで塞いでいきます。

戸袋

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腕木庇の下には雨戸サッシがあります。アルミ製の戸袋の外側にヒノキを使った戸袋をつくると、安っぽさが消えて、とてもいい感じになります。

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東側は妻面(屋根の三角形が見える面)のため、窓のすぐ上には屋根がありません。したがって雨が吹き込まないようにするためには庇が必要です。
柱を立てずに深い軒をつくるため、腕木と出桁を組み合わせた腕木庇を設けます。

屋根

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屋根はガルバリウム鋼板平葺きです。ガルバリウム鋼板は、通常の鋼板に比べて3~6倍の耐久性を誇ります。

木工事

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左:室内では間仕切り壁の下地や、天井に30㎝間隔に渡した野縁(のぶち:天井下地)が施工されました。
右:小屋裏の空気の流れをコントロールするエアーオープナーを取り付けました。春~秋はエアーオープナーを開放して熱気を排出し、冬は閉じて温められた空気を循環させます。

断熱材

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外側はアルミシート貼りで遮熱性能を向上し、室内側は空気の流れを考慮してダイヤカットに成型された、エアサイクルオリジナルの断熱材です。


金物検査

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接合金物の検査を行いました。木組みを補強する金物は、種類によって強度が決まっており、仕口(しぐち)と金物の組み合わせで必要な強度を確保します。
引抜き力の大きな柱は、基礎と直結させるためにホールダウン金物で緊結します。軒桁と垂木の接合部には、『くら金物』を使用することで、強風時も屋根をしっかり支えます。
建物が完成した時に隠れてしまう部分だからこそ、しっかりチェックする必要があるのです。

上棟

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いよいよ上棟です。大工はいつものメンバーなので、抜群のチームワークで下階から順番に柱、梁を組み上げていきます。
梁はクレーンで釣り上げて所定の位置に運び、大工が受け取って組み立てます。ロープの固定も、傷がつかないように注意を払います。

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この住宅は平屋です。平面はシンプルな長方形で、高さはいつもの半分ですが、屋根の大きさは約2倍で一部ロフトもあるため、思った以上に時間がかかりました。

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約45cm間隔で母屋に垂木をかけていきます。次に、エアサイクルオリジナルの屋根断熱材「シャルーフ」を、垂木と垂木の間に落とし込みます。シャルーフは、屋根の野地板との間に通気層を形成し、遮熱性能を向上させた屋根断熱材です。

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棟の換気スペースを空けて野地板を張っていきます。無事に上棟が完了し、四方固めをして締め括りです。建物の四隅に、米、塩、酒を撒いて建物を清めました。

土台敷き

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上棟前に土台を敷きます。土台は上部構造すべてに影響してしまうので、レベルを確認し、ミリ単位で高さ調整を行います。

基礎完成

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基礎コンクリートの打設が完了しました。丸い支柱は、エアサイクル独特のコラム基礎です。独立型基礎なので、通気性が良く床下を良好な状態に保ちます。

コンクリート打設

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まず納入書で、出荷時刻と指示通りの配合になっているかを確認します。次にコンクリートの品質検査として、スランプ値(柔らかさ)、空気量、塩化物量を測り、強度試験用のテストピースを作製します。
品質検査が終わったらいよいよ打設です。ポンプ車で生コンクリートを流し込んでいきます。その際、バイブレータで振動を与えることによって、隅々までしっかりとコンクリートが充填されます。最後はコテで均して仕上げます。

配筋検査

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基礎の配筋検査を行いました。底盤・立上り・地中梁・コラム基礎と、鉄筋の配筋状況を記録し、鉄筋径、かぶり厚、定着、対角長さなど、設計図書との整合性を確認していきます。コラム基礎には「スパイラル筋」という鉄筋が入っています。

基礎工事

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左:基礎工事の初めは遣り方(やりかた)です。基礎の高さや水平位置の基準となる木枠を基礎の外周に回します。
右:次に根切りを行います。根切りとは、地中に基礎をつくるために地表面の土を取り除き、掘り下げる作業のことです。

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左:竹炭200kgを手作業で粉状にした炭を地面に埋めていきます。水を撒いては踏んで締固めます。埋炭は、シロアリの被害を軽減させたり、マイナスイオンが増える等の効果があるといわれています。
右:基礎の中央付近に、地鎮祭で神主さんからいただいた鎮め物を土地の神様をしずめるために地中に埋めます。

地鎮祭

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地鎮祭を執り行いました。今回は、建て主が普段からお付き合いのある、地元の神社から神主さんに来ていただきました。
神主さんのお祓いに始まり、永久に災禍がないように土地の神様にお祈りをして、工事の安全を祈願します。

地縄張り

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地縄張りとは、敷地に対して計画建物がどの位置に建てられるかを確認する作業のことです。建物の外壁ラインに縄を張り、その位置をお施主様と確認します。

地盤調査

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基礎の形状(基礎の下に地盤改良が必要か否か)を決めるため、必ず地盤調査を行います。地盤の強さを測るとともに、試験用サンプラーで土を採取し、砂質土か粘土かなどの土質も調べます。

解体工事

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解体工事が始まりました。大正6年に建てられた、築100年近くになるわが家が壊されるのは寂しいものです。長い間お世話になった家に感謝しながら、工事を進めていきます。