私が神奈川エコハウスに入社して17年になります。設計した家の数は140軒を超え、最初の4棟が2010年に竣工し、翌2011年には多くの家が竣工しました。そして昨年から順次15年点検を実施中で、先日その1軒に同行して来たのでご報告します。

竣工第1号は2010年に竣工した平塚市の「ステップフロアダイニングの家」ですが、完成した住宅の中で一番初めにプラン作成に取り掛かったのが、2011年に竣工した横浜市鶴見区の「方形架構のアンティークモダン」でした。入社間もない設計が「真壁」ではなく「大壁」ということもあって、私の中では想い出深い住宅の一つです。

建て主のN様は2007年、藤沢市村岡東の住宅展示場にあった当社の前モデルハウスに来場されています。私が入社する2年前のことです。そして約2年後の2009年夏に構造見学会に参加された後、10月に来社して具体的な相談を受けました。現在のコンセプトハウスがちょうど建築中の時期です。

N様はエアサイクル工法を気に入られていた一方、モダンな白い壁の家を望まれていました。前モデルハウスは今のコンセプトハウス以上に和風だったので、建てたい家とのギャップがあったと思いますが、家づくりの考え方、構造や断熱(エアサイクル)に信頼を置いてくださり、家づくりが始まりました。
その当時の要望書は、5項目に絞った要望とイメージ写真のコラージュで、今見ても秀逸です。まだ入社2ヶ月の自分は手探り状態でしたが、設計事務所に依頼するようなお客様が工務店に来たことに驚いた記憶があります(笑)
5つの要望は以下です。①将来リタイアした時に、自宅で陶器及びカフェの店ができるようにしたい ②息子が結婚しても一緒に生活できるような家 ③現在とても寒くて暑いので暖かく涼しい家 ④主人、息子が使うパソコン部屋かパソコンコーナーが欲しい ⑤其々の部屋にウォークインクローゼットが欲しい

敷地が道路より2mも高いため、ガレージ、アトリエ、カフェを地階にまとめた第一案を作りましたが、工事費が高くなり過ぎました。最終的には地下室を諦め、擁壁を鉄筋コンクリートで造り直して、方形架構の木造2階建てにします。


築10年以上の家と新築の家との大きな違いは木の経年変化です。室内の杉や桧が日焼けして木の色が濃くなるため印象が変わります。しかしこの家は、柱・梁を隠していることに加え、床は濃色のウォールナット、室内の木部を古色塗りしているため、新築時と印象がほとんど変わりませんでした。
「カフェをオープンしているかも」という期待もありましたが、カフェを開くのは止めたそうです(笑)

ご主人が腰を痛めて陶芸活動を諦めたそうで、玄関横の工房は奥様のアトリエに変わっていました。美大卒の奥様は絵画(油彩)をライフワークにしているため、新たな作品を毎年生み出しています。

そして毎年、主体美術協会主催の「主体展」に出品されています。プロの芸術家である会員の作品の他に、愛好家である非会員の作品も多く集まるとのことで、主体展は今年も9/1~17に上野にある東京都美術館で開催されたそうです。来年は案内状を送ってくれるそうなので、ぜひ見に行こうと思います。
岸 未希亜
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