先日のブログで『SO 上質な日本の住まい3 』の刊行をお伝えしましたが、そこに掲載された住宅を完成事例に加えました。
この住宅は、市街化調整区域で親世帯の敷地内に子世帯の家を建てる計画だったので、開発事前相談に始まる複雑な手続きを必要とするプロジェクトでした。
建て主は勉強熱心で多くの情報を集められ、性能やデザインに優れた工務店をピックアップして比較検討されたそうです。当時は知らなかったのですが、よく競合するあの会社もこの会社も検討対象だったそうで、「よく当社が選ばれたな」と思います（笑）
要望も多岐に渡りましたが、外観については「田畑の中に馴染む外観デザイン」という一文に表れています。
周囲に田畑が広がる長閑な場所なので、あまりにモダンな建物が出現すると違和感しかありません。風景に溶け込む佇まいを意識して設計しました。
空間に対する要望には、「LDKが南側の庭と一体になって開けた空間」「寝転んだり子供が遊べる畳小上がり」などがありました。造作ソファーのあるリビングと畳座がダイニングやキッチンと一体になり、どこに居ても庭や屋外の自然を感じることができます。
機能性という点では、回遊動線を取り入れた間取りが好評でした。玄関から動線が2つに分かれ、サブ動線は家族共用のウォークインクローゼットを経て洗面コーナー、洗濯脱衣室へと行くことができます。キッチンから水回りへの動線、ダイニングや2階から水回りへの動線もあって、8の字の回遊動線になっています。
大工＋家具職人による造作キッチンとデスクコーナーを備えた背面収納は、意匠性にも優れています。
温熱環境面もご要望に応えてUa値 0.41、C値0.8を実現し、太陽光発電搭載でZEHを取得しました。吹抜で1階と2階を連続させ、暖房は床下エアコン1台、冷房はロフトエアコン1台で快適に暮らしています。
この住宅は「田園風景に溶け込む回遊動線の家」として、ホームページの「事例紹介＞完成物件」に加えました。ぜひご覧ください。
岸 未希亜
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