今週末に見学会を開催する「藤沢市Y邸」の見どころを紹介します。
この住宅は一人住まいを想定しているため、14坪弱という小規模の平屋です。建て主は10年前にも当社で家を建ててくれたオーナーの方で、当時は3世代4人で暮らす家を建てたのですが、今回は場所も変えて、自分一人が暮らす家をつくることになりました。
西側で接道する敷地は、元は一つだったものを南北に2分しているため、東西に細長い形状です。南北幅が約7mしかないので、南側隣家の影響で1階に日が当たることは難しい状況でした。
しかし普通の家をつくる訳ではなかったため、南からの日照・採光は諦めて平屋での計画を敢行。太陽光パネルを載せるのに若干の懸念はありましたが、片流れ屋根にして上の方に設置すれば、十分に日が当たることが分かって実施しました。
この家の特徴は2つ。1つ目は、一人で暮らす小さな家ということ。
玄関、ダイニング、キッチン、寝室に区切りが無く、小さなロフトがあって勾配天井で連続しています。浴室も1216サイズのユニットバスで、洗面脱室の中にトイレもあるので水回りはコンパクト。決して広くはないですが、「一人暮らしならこれで十分かも」と思わせるシンプルな間取りです。
そして2つ目は、こだわりのリスニングルームと収蔵庫です。
音楽の世界に造詣がある建て主は、LPレコード、シングルレコードの収集家です。それに加えてCD、DVD、コミック等も数多く所有しているため、2つの収蔵庫を造りました。10年前の家にも収納棚を造りましたが、その時は自分のスペースが限られていたのに対し、今回は廊下にも棚がはみ出しています(笑)
そして、この家では音楽と映像を存分に楽しみたいという希望があり、リビングや寝室よりもオーディオルームに特化した家を目指しました。
専門業者による音楽室の工事だと高価なため、「石井式リスニングルーム」を取り入れて当社で施工しました。石井式リスニングルームとは、松下電器産業でハイファイ・オーディオ機器の開発に長年携わってきた石井伸一郎氏が提唱する方法で、最適な残響時間をつくるために、部屋の形状(縦・横・高さの寸法比)や吸音壁の構造などが示されています。詳しくは『リスニングルームの音響学』という著作に書かれています。
部屋は7.5帖(特殊な壁のため実際はやや狭い)で、縦・横・高さのバランスもできるだけ理想値に近付けました。壁・天井裏には吸音材を入れてあり、仕上げ面の約18%を吸音部にしていて、反射面は杉羽目板張り、吸音面はロールスクリーン生地を使った布張りです。初めてのことなので、理論通りの心地よい残響時間が得られるかはまだ分かりませんが、期待しかありません(笑)
アンプやレコードプレーヤーからスピーカーへの配線を隠すため、床に溝を彫ってフローリングを蓋にした点も見どころです。
そして片面にはスクリーンを設置するための壁があり、音楽と映像を存分に味わうお住まいです。
岸 未希亜
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