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2022.05.06 / 建築と住まいの話

小田原の完成見学会レビュー

4月末に見学会を開催した「小田原市H邸」の予告ができなかったので、この住宅の設計ポイントについて振り返ってみます。

敷地は開発分譲地の一画で、周りを宅地に囲まれた南北に細長い形状です。桜並木のある広い通りに面していますが、北道路なので日当たりがあまり期待できない状況でした。

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北道路で敷地の間口が狭いと、カーポートをつくるために敷地北側を空ける必要があります。建物を北に寄せられないので、必然的に南側の庭が狭くなり、1階の日当たりは悪くなります。土地を買う時から建て主自身が自覚していた通り、2階リビング(逆転プラン)の家を計画しました。

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実際、計画から半年後の着工だったので、着工時には周りの家の形が明らかになっていました。東西は隣家の壁が目の前にあり、南隣家も近い所に建っていることが分かりますね。

平面は間口3間×奥行4.5間のシンプルな矩形にして、1階は南側に寝室を並べ、西側に水回りをまとめました。そして2階の南側にダイニングとキッチンを配し、中央に小上がりの畳リビングを並べています。

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パッシブデザインに基づくなら、南北に軒を出す屋根形状が自然です。そうすると南北に長い家は屋根中央が高くなるため、畳リビングの上に大きなロフトを設けました。

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1~2階の階段をもう一回りさせた固定階段でロフトへ昇降するため、使い勝手も良く、2階冷房用のエアコンも設置します。

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この家の見せ場は、2階北側(道路側)に並べたスタディコーナーと家事室です。敷地を訪れた時に得られた手掛かりは、「前面道路の桜並木と目の前のお屋敷の庭」が借景できることでした。

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引戸で閉じられる家事室は奥様の書斎スペースで、オープンなデスクカウンターはご主人の居場所です。低い位置に大きな窓を設けたので、春は桜並木が眺められる特等席になります。完成見学会は4月下旬だったので完全に葉桜になっていましたが、新緑に包まれる窓からの景色も悪くありませんでした。

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この窓、この景色が無ければ、あまり特徴の無い「住宅密集地に建てる2階リビングの家」でしたが、借景を得たことで、「桜並木を望む2階リビングの家」と命名することができました。

岸 未希亜

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