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2022.03.29 / よもやま話

ワールドカップ出場決定

先週の木曜日、日本はFIFAワールドカップ(以下、W杯)2022カタール大会への出場を密かに決めました。「密かに」というのは、出場を決めた「日本vsオーストラリア」の試合が、地上波で放送されなかったからです。
アジア最終予選は2グループに分かれ、グループBは日本、サウジアラビア、オーストラリア、オマーン、中国、ベトナムの6ヶ国が上位2ヶ国に与えられる出場権を争いました。他の5ヶ国とホーム&アウェイで10試合を行う訳ですが、アウェイの5試合がテレビで見られない異常事態が勃発しました。

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朝日新聞3月25日 朝刊より

4年前のアジア予選はもちろん、「ドーハの悲劇」があった1993年の予選以来、W杯アジア予選は地上波(NHK・民放)で放送されてきました。したがって、普段はそれほどサッカーを見ないライトなファンも巻き込んで、日本代表の戦いに一喜一憂しながら日本中が盛り上がりました。
ところが、W杯予選を含むアジアサッカー連盟管轄試合の放映権料が高騰(8年で約2400億円)したため、日本のテレビ局は手が出せず、今回の予選はDAZN(ダゾーン)が独占中継することになりました。テレビ朝日は、何とかW杯アジア予選の中継を実現させるべくDAZNと交渉し、放映権を「バラ売り」してもらいます。しかし1試合あたりの推定放映権料が2~3億ということで、アウェイの5試合を諦め、ホーム5試合の中継のみが実現しました。
コアなサッカーファンは、すでにDAZNに加入してJリーグや各種サッカー番組を視聴していますが、地上波の放送が無いと、日本代表の試合があることさえ知らない人が増えます。当然ながら日本全体の盛り上がりは望めません。

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朝日新聞3月25日 朝刊より

最終予選を振り返ると、初戦のオマーン戦(ホーム)でまさかの敗戦。2戦目の中国戦(アウェイ)に勝利したものの、3戦目のサウジアラビア戦(アウェイ)にも敗れて1勝2敗の低調なスタートを切りました。
西アジアでの試合は時差があって深夜のキックオフになります。中継があれば深夜でもライブ観戦するところですが、どんな不甲斐ない試合をしたかも分からず、悶々としました。ただ、残り7試合でサウジアラビアかオーストラリアのどちらかを上回れば良いので、私はメディアが騒ぐほど心配はしていませんでした。

そこからシステムを4-3-3に変えて、中盤を遠藤、守田、田中の顔触れにすると安定感が増し、伊東純也の爆発(4試合連続ゴール)もあって5連勝。サウジアラビアに次ぐ2位に浮上して迎えたオーストラリア戦はW杯出場がかかる大一番でしたが、シドニー(アウェイ)で行われるため、地上波の中継はありません。
DAZNに加入していない人には、喜怒哀楽をリアルタイムに表現できる状況になく、ガッカリです。そして「密かに」7大会連続のW杯出場を決めました。私の妻に代表されるライト層は、そのことに全く気付いていませんでしたが・・・

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朝日新聞3月25日 朝刊より

1勝2敗の苦しい状況から予選突破まで持ち直したのは流石でしたが、今のままでは、本大会で目標のベスト8進出が果たせるとは思えません。選手の力が無い訳ではありませんが、森保監督の選手起用や采配に疑問が残るからです。
予選を戦いながら新戦力を発掘し、戦い方の幅を広げ、チーム力を一段も二段も高めてほしかったのですが、そんな姿は見られませんでした。最終戦のベトナム戦の選手起用を見ても不安が募ります。主力選手を休ませる意図はあったと思いますが、あんなにがらっとメンバーを変えたら、ベースアップもコンビネーションもあったものではありません。
サッカーはプレー選択の自由度が高いため、監督の力(戦術や選手起用)でチームが大きく変わります。森保監督は本大会に向けて変われるのか? 今のままでは心配です。

岸 未希亜

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