ちょっと書くのが遅くなってしまいましたが、先週末にJリーグ最終節の試合が行われました。
J1の優勝は今年も川崎フロンターレ。夏に有力選手が海外移籍するなどして、一時的に追い上げられた時期もありましたが、最終的には2位との勝ち点差も大きく、今年も盤石の強さでした。この5年で4回も優勝していて、文字通り黄金時代を迎えています。
サッカーダイジェストNo.1496号より
一方でシーズン終盤は「残留」争いも激しくなります。
昨シーズンは新型コロナウイルスの流行により、J2降格の無い特別なレギュレーションでした。その上で昨シーズンのJ2上位2チーム(徳島ヴォルティス・アビスパ福岡)はJ1に昇格しているので、今シーズンのJ1リーグは例年よりも2チーム多い20チームです。
そのため、今年は下位4チームがJ2に自動降格するという厳しいレギュレーションになり、多くのチームが降格の恐怖を背中に感じて戦うことになりました。
残り3試合で迎えた11月20日の第36節、15位の湘南ベルマーレは19位のベガルタ仙台との直接対決です。湘南が勝てばJ1残留に大きく近づくものの、敗れると降格争いに引きずり込まれる状況で、ヒリヒリする緊張感がありました。
朝日新聞11月21日朝刊より
結果は湘南が2対0で仙台に勝利。16位の清水エスパルスも勝利したため、仙台のJ2降格が決定。仙台は東日本大震災前から12年間守ってきたJ1の舞台から、遂に滑り落ちてしまいました。
また、ヴィッセル神戸戦に敗れた横浜FCもJ2降格が決定。2020年から2シーズンをJ1で戦いましたが、今年は序盤から敗戦を重ねて最下位が定位置になっていました。
そして、鹿島アントラーズと引き分けた大分トリニータもJ2降格が決定。かつて財政難に陥ってJ1からJ3まで転落した大分は、片野坂監督の就任によって3年でJ1に復帰し、さらに3シーズンをJ1で戦いました。しかし、育てた選手が次々に他チームに引き抜かれるなど、財政基盤の弱い地方クラブの性(さが)で戦力ダウンは免れませんでした。
残り2試合で迎えた37節、15位の湘南は17位の徳島と2週連続の直接対決。勝ち点差3のため、徳島が勝てば勝ち点が並んでしまい、引き分ければ勝ち点差3は変わりません。ただ、得失点差では湘南が大きくリードしているため、引き分ければ実質的に湘南のJ1残留が決定します。舞台は湘南ホームの平塚ということもあり、引き分け以上を大いに期待できました。
朝日新聞11月28日朝刊より
ところが、結果は徳島が1対0で湘南に勝利。徳島は勝ち点で湘南に並んでJ1残留の可能性が膨らみ、逆に湘南は目の前にある残留のチャンスを逃しました。また、16位の清水が終了間際の劇的なゴールで勝利し、湘南を抜いて15位に浮上。J2降格の残り1枠は、清水、湘南、徳島の3チームに絞られ、最終節を迎えます。
その最終戦。徳島はホームでのサンフレッチェ広島戦。湘南が負ければ、徳島は引き分けでも残留、湘南が引き分ければ勝利で残留、湘南が勝っても清水が敗れれば、勝利で残留の可能性があります。
清水はホームでのセレッソ大阪戦。自力で残留を決めるには引き分け以上が必要ですが、湘南か徳島が引き分け以下なら、敗れても残留が決まる優位な状況です。
われらが湘南はアウェイでのガンバ大阪戦。アウェイである点や対戦相手から見て、最も不利な感じがします。徳島が逆転残留を果たしそうな・・・嫌な予感がしていました。
朝日新聞12月5日朝刊より
そして・・・最終節の結果は、清水がC大阪に2対1の勝利。勝ち点42で順位を14位まで上げました。
湘南はG大阪と0対0の引き分け。勝ち点1を積み上げて勝ち点37とし、徳島の結果待ち。
徳島は広島に2対4で敗北。勝ち点36のままとなり、湘南に及ばず17位でJ2降格が決まりました。
試合が行われていたのは土曜日の午後の打合せ中で、気付いた時には試合終了間際でした。
打合せ相手が大学のサッカー同好会の後輩だったこともあり、許可を得てスマホで結果を確認。湘南の残留がほぼ間違いないと分かって安堵しました。熱心な湘南サポーターでもない私が嬉しいぐらいですから、湘南ベルマーレを支えている方たちの喜びはとてつもなく大きかったことでしょう。
岸 未希亜