アースハウスの完成見学会が暫く無かったので、先日「お住まい拝見」を行いました。「お住まい拝見」というのは、住まい手が実際に暮らしている住宅を訪ねて、住まい手の感想だったり、家づくりの先輩からアドバイスが聞ける見学会です。
初めは1月か2月に実施しようと思ったのですが、参加予定者のご都合が合わなかったこと、そして緊急事態宣言が出てしまったために3月末まで遅らせました。
完成見学会のように一日かける訳にはいかないので、「お住まい拝見」に呼べるのはせいぜい2～3組です。今回は小田原や二宮方面で家づくりを検討されている方、そして和の家が好きな方をお誘いしました。
1軒目は、2017年に竣工した「用途を限定しない「間」の家」です。敷地が広く、外構工事は2期に分けて行われたため、完成見学会の時点ではまだ「未完成」でした。庭が完成し、庭木も育った現在の方が見応え十分と言えます。
根府川石を使ったアプローチの造りが秀逸で、玄関前には鎖樋の雨水を受ける水鉢が置いてあります。玄関脇のベンチに置いてある消毒液で手を消毒してからお邪魔しました。
家づくりに4年の年月を費やしたＳさんは、会社選びに2年、神奈川エコハウスの見学会やセミナーに参加して当社と関係を深めるのに1年、そして家づくりに1年以上をかけました。
そんな勉強熱心な建て主なので、この家のセールスポイントや家づくりの話がすらすら出てきます。お陰で私は楽をさせてもらいました。ＨＰ事例紹介の「住まい手の声」にもそのことが書いてあります。
参加者から「神奈川エコハウスを選んだ理由は何ですか？」という質問が出た時、間髪を入れずに「岸さんがいたからですね」と答えられたので、虚を突かれました。もちろん知ってはいましたが（笑）
Ｓさんは大手ハウスメーカー2社を皮切りに、県内の工務店を当社以外に3社、都内の設計事務所を2社検討されています。他の工務店では設計力に不安を感じ、設計事務所ではどこが施工するか不確定ということから、設計・施工の両面で満足できる会社として、当社が選ばれました。契約時のアンケートでも、建築会社を検討する時に重視したポイントは「構造や素材などの建物の質」と「設計力」と回答しています。
ただ、プランによって工事費がどれぐらい違ってくるかを検証するため、最初は平屋案、次は平屋ベースの2階建て案、その次は下屋のある2階建て案というように、「全く異なる3プランを作成したのは大変でしたよ」と参加者に伝えておきました（笑）
2軒目も小田原市にある、2014年竣工の「雨を楽しむ平屋の家」です。
平屋なので建物のプロポーションが良く、瓦屋根の重厚感と金属葺き庇の軽さのバランスが良く、軒樋を付けていないので一文字瓦の美しさを堪能できる、外観的にはそんな特徴があります。
建て主のＫさんも建築会社を幾つも訪ね、計画もしてもらっていたのですが、「なかなか自分の希望が伝わらなかった」と不満を抱えていました。その希望をひと言にすると「蕎麦屋のような外観と機能的な間取り」です。「それを叶えてくれたのが岸さんだった」と語ってくれたので、「Sさんと同じようなことを言っているけど、仕込みじゃないよね？」と思われたかどうか（笑）
個室や子供部屋をつくらず、食事と寛ぐ部屋、寝る部屋、しまう部屋といった機能で分ける構成と回れる動線になっているため、生活していてストレスが無いとのこと。奥様は参加者に「（生活動線のことを考えたら）女性が決めた方が良いですよ」と何度も言っていて、ご主人たちはタジタジでした（笑）
でも形やデザインに対する希望、浪漫を求める希望は一般的に男性から出ることが多く、それが無いと家が味気なくなってしまうのも事実。ただＫ邸の場合は、「軒を出して高さを抑えた平屋」とか「陰影のある日本家屋」といった希望も奥様が挙げたもの。男性目線と女性目線を備えた慧眼の持ち主で、「おっしゃる通りに致します」という感じでした（笑）
今回は3月末の訪問だったので、まだ庭木も少し寂しい感じでしたが、初夏になると木々の葉が青々として自然の生命力を感じますし、秋になれば紅葉も楽しめるので、5月以降にまた企画しようと思います。
岸 未希亜
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