今月発売される住宅誌「和モダン」に、当社で建築した住宅が掲載されます。
掲載されているのは、今春に竣工した逗子の住宅です。この家は、7月に写真家の山田さんに撮影してもらってＨＰの完成事例でお披露目し、ブログでも紹介したところです。その直後、「和モダン」掲載に相応しい住宅ということで、10月に取材で再訪しました。
敷地の北側は公園、西側は緑に覆われた山裾、南側と東側は隣家が接するという条件の元、「南を背に、北の景色を望む家」を設計した経緯、その手法については、前述のブログで書きました。
南側は箱のようなシンプルな形、塗り壁と板壁を組み合わせたデザインになっていて、その奥は緑に覆われています。もうすぐ隣地の工事が始まるようなので、このアングルは見納めですね（笑）
建て主は、家づくりについて深く学んでいくうちに、湘南特有の湿気・カビ対策が不可欠だと知るようになったそうで、その中でこの土地にめぐり逢い、そして神奈川エコハウスに出会いました。
誌面には、その時の建て主の気持ちが書かれているので、一部を引用します。
「北向き、しかも北西面に小川が流れる家で本当に大丈夫だろうかと相談したところ、設計の工夫とエアサイクル工法で十分気持ちよく暮らせると背中を押していただき、さらに和風住宅の良さを残しながら木の家をモダンにまとめ上げる確かなセンスを感じて、建てる決心がつきました。」
キッチンに立った時、そしてリビング・ダイニングで椅子に腰掛けた時、室内からの景色に魅了されます。
「和モダン」今号のテーマは［「いま」と溶け合う。］なのですが、掲載した逗子の家はぴったりでした。
なぜなら、自分はこの家を「和風」に設計したつもりはなかったからです。実は当初、「和モダン」掲載についても他の住宅を考えていました。
しかし改めて見てみると、外部とのつながり、自然光による陰影、柱や梁の線が形作る真壁の空間、茶事のできる和室など、「和」の要素はしっかり息づき、そこに現代的な建て主の暮らしや嗜好が加わって、この特集が言わんとしている「和モダン」住宅になっているのだと気付かされます。
ここを仕事場にしているパティシエの奥様は、自然と調和するこの空間から、美味で体にも良くて、見た目にも美しいスイーツを生み出しています。
岸 未希亜
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