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2020.02.04 / よもやま話

前田裕二

前田裕二という起業家を皆さんご存じでしょうか。 実は今、若者から最も注目されている起業家といっても過言ではない人物の一人です。一昨年出版された「メモの魔力」は発行部数44万部(2020年1月1日時点)で2019年上半期のビジネス書ベストセラー1位を獲得しました。「目標は100万部」と本人は公言していますが、決して大言壮語ではなく発行部数は今も増え続けています。 2a89bf1ad7ea85362b8db1c686743c35.jpg 早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行UBSに入社し、ニューヨークの第一線で活躍。その後DNAへの転職を経て、PCからライブ配信及び視聴を行えるストリーミングサービス配信をする株式会社SHOWROOMを設立。氏の著書には「人生の勝算」「メモの魔力」があり、今では各メディアから引っ張りだこです。 経歴だけ見ると「天性の才能の持ち主」と思われるかもしれませんが、氏の人生は平たんな道のりではありませんでした。幼いころに両親がいなくなり、お金を稼ぐために小学生ながら路上ライブをして生計を立てた苦労人で、学生時代に経験したアルバイトは「控えめに言っても100種類以上」だそうです。

「環境のせいにするのではなく、後天的な努力が報われることを証明したかった」という彼の言葉は、多くの人に勇気を与えたと思います。picture_pc_29b11db34b3f95c48dfa4a481114017e.jpgそんな氏の著書「メモの魔力」には今までの努力の仕方が掲載されています。
「夢を紙に書くと現実になる。なぜなら潜在意識の中に刷り込まれるから。」

しかし、前提として大事になってくるのは、徹底的な自己分析だと言います。 「自分とは何者か」「今、何がやりたいのか」「これから何をやっていくのか」 この情報が混沌とした時代において、「やりたいこと」が明確な人は、あとはそれをやるだけなので最強です。実はこの「やりたいこと」がわかっている人が一番幸せなのかもしれません。 そして日常の中で(「ファクト」→「抽象化」→「転用」)というフローでメモを取ることにより、様々なアイディアが生まれます。

ここで例を一つ挙げます。上記でも述べたように、氏は小学生時代に生計を立てるために路上ライブをしていたのですが、当初は誰も立ち止まってくれなかったそうです。しかし、ここで先ほどの(「ファクト」→「抽象化」→「転用」)に置き換えます。


◆(ファクト)立ち止まってもらった人のリクエストに応えると、ぐっと仲良くなる
                 ↓
◆(抽象化)仲良くなるためには双方向性が大事                  
                 ↓
◆(転用)双方向性があり絆が生まれる仕組みをネット上に作る

このようにして多くのことを(「ファクト」→「抽象化」→「転用」)のフローに置き換えアイディアを出し、今ある会社を起業したそうです。  
そしてメモを取る利点は以下だと述べています。

① アイディアを産み出せるようになる。(知的生産性の向上)
② 情報を素通りしなくなる。(情報伝統性の向上)
③ 「より深い話」を聞き出せる。(傾聴能力の向上)
④ 話の骨組みがわかるようになる。(構造化能力の向上)
⑤ 曖昧な感覚や概念を言葉にできる。(言語化能力の向上)

なぜこの5つが大事なのかは、本書に理由が記載されています。 83593453_2599713613487884_3905942635935694848_n.jpg前田裕二をテレビで見る度に私は思うことがあります。それは、表情から優しさが滲み出ているだけでなく、接する全ての人に対して美点凝視だということです。これだけ努力をされているにも関わらず、謙虚で前向きな姿勢でいることが、氏に好感が持てる最も大きな理由です。
前田裕二はUBS入社前のインターン時に、社内のトップ営業マンである社員に、入社後何を勉強したら良いか聞いたところ「勉強なんていらない。全ての人から好かれることが大事」と返され拍子抜けしたそうです。「そのためには全ての人を好きになること。好きになられた人はどんな人でも悪い気はしない」「ひとりで出来ることは限られているけど、周りを巻き込めばその力は無限」と。そして彼は今でもこの言葉を忠実に守っているのだと私は氏を見てとれます。

思えば私の友人を見ても、例えば何かプロジェクトを動かしたりするときに、周りから積極的に協力してもらえる人に共通していることは、当然ですが信頼され好かれている人。人の良いところに着目出来る人が多いです。今の時代なので、何かあればSNSを駆使し、知人に協力を呼び掛ける人も多く見られますが、協力してもらいやすい人は結果的にそれが物凄い力となります。個の能力も勿論大事だとは思いますが、横の繋がりが今まで以上に活きてくる時代なのではないでしょうか。そのような気づきも氏の本から得られました。
ここまで述べておいて恐縮ですが、氏の「メモ術」を全て真似するには少し難易度が高いと感じています。既に本を読まれている方は、きっと共感してくれると思います(笑) ですがそこには沢山のヒントが隠されているので、断片的にでも自分のやり方に取り入れてもいいかもしれません。
もし「自分はこんなメモの取り方をしている」といった応用方法があれば是非教えてください。

神奈川エコハウス 下平雄介

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