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2019.10.08 / よもやま話

父と娘の北陸巡り4

3日目は富山県第2の都市、高岡に泊まりました。4日目も雨が降る予報でしたが、朝起きて外を見ると天気はもちそうだったので、ひと安心。もし雨が降ったら歩いて回るしかないと覚悟していましたが、晴れたので、駅のコインロッカーに荷物を預けて、レンタサイクルを利用しました。ところが大人用の自転車しか無かったのは誤算で、小柄な娘の体には合わなかったのですが、ちょっと練習してから恐る恐るスタート。

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さて、皆さんは「日本三大仏」をご存知ですか?奈良大仏(東大寺)、鎌倉大仏(高徳院)は誰もが知っていると思いますが、もう一つの大仏が高岡市にあります。

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江戸時代は京の大仏(方広寺)、戦前は兵庫大仏(能福寺)が三大仏と言われたそうで、戦後は高岡大仏(大沸寺)や岐阜大仏(正法寺)など諸説あるそうです。地元の銅器製造技術の粋を集めた「高岡大仏」は、奈良や鎌倉ほどの大きさはありませんが、与謝野晶子に「鎌倉の大仏より一段と美男子」と評されたと伝えられる端正な顔立ちをしています。

もちろん今日も町並みを歩きました。高岡には重要伝統的建造物群保存地区(以下、伝建地区)が2つもあるのです。

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一つは地元のガイドに「土蔵造りの町並み」と紹介されている「山町筋(やままちすじ)」。現在の町並みは明治33年の大火後に再建されたもので、耐火性に優れた土蔵造りの商家が並びます。

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ここは旧北陸道に沿っていることから、米や綿花の集散地として賑わい、近代まで商業の中心地でした。土蔵造りの家にも白壁と黒壁があり、大正時代には富山銀行などの洋風建築が建ち、その影響を受けて煉瓦を取り入れた土蔵造りも建つなど、変化に富んだ町並みです。そのまま旧北陸道を東へ進んでいくと、伝建地区を外れても昔ながらの雰囲気が残っていました。
ただ、娘を付き合わせるのは可哀想なので、山町筋の中ほどにあった和菓子屋で、和菓子を食べて待っていてもらいました(笑)

もう一つの伝建地区は「千本格子の家並み」と紹介されている「金屋町」です。

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高岡に城を築いた加賀藩2代藩主・前田利長は、7名の鋳物師(いもじ:鋳物職人)を招いてこの職人町をつくりました。火を使う鋳造業は火災のリスクが高いため、千保川の対岸(城下町の外)に置かれたそうです。

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ここは電線を地中に埋設し、路面はアスファルトでなく御影石貼りのため、往時を偲ばせる雰囲気があります。当初は主に鉄器を製造していましたが、18世紀後半より銅器の鋳造も盛んになり、明治に入って職を失った金沢の金工・象牙師を招いていから、高岡銅器の名声が高まったそうです。神奈川エコハウスでもかつて、お客様の竣工祝いに高岡銅器の花入れをプレゼントしていたことがあります。

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モメンタムファクトリー・Orii(高岡市)

金屋町にある大寺幸八郎商店に入ると、銅や錫(すず)のアクセサリーが並んでいました。しかし娘が気に入ったのは高岡らしい金属アクセサリーではなく、宝石のようなデザインのペンダント。しかも高い!!買おうかどうか考えちゃいましたが、町並み歩きに付き合ってくれたご褒美に、それを買ってあげました(笑)

昼食後、少し離れた高岡市美術館へ行きました。建物の設計は、桜台コートビレッジ(横浜市青葉区)、世田谷美術館、皇居・吹上御苑の新御所などの設計で知られる建築家・内井昭蔵氏。ここに来たのは「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」があるからです。

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国民的漫画の「ドラえもん」、そして作者の藤子不二雄を知らない日本人はいないですよね。後年コンビを解消して「藤子・F・不二雄」として活動した藤本弘さんは、富山県高岡市の出身です。
藤子・F・不二雄ミュージアムは活動拠点にしていた川崎市にありますが、2015年、故郷の高岡市に「ふるさとギャラリー」がつくられました。ギャラリーの入口は「どこでもドア」、中ではデビュー前の4コマ漫画や代表作のカラー原画などが展示されていて、自分の方が夢中になってしまいました。娘のためにと思って来たのですが、お父さんの方がドラえもん世代なので仕方ないですよね(笑)

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高岡駅に自転車を返し、あいの風とやま鉄道(新幹線の開業で在来線は第三セクターに・・・)で富山駅へ移動。帰路は北陸新幹線でびゅーっと帰って来ました。富山~東京は2時間半もかかりません。
それでは娘の一日を振り返りましょう。レンタカーの日はサンダルを履いてお洒落していた娘も、この日はスポーティな服装です。

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高岡大仏/和菓子/どこでもドア/富山駅

「どこが一番楽しかった?」と娘に聞くと「自転車で回ったことかな」との答え。一緒にサイクリングしたことが一番楽しかったのかと思うと、普段一緒に遊んであげていないことへの罪悪感がこみ上げました。いや待てよ。もしかしたら、町並みばかり見せられたことへの皮肉だったのかも(笑)

岸 未希亜

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