ブログ

2019.10.22 / 建築と住まいの話

オーナー住居訪問ツアーの見どころ

今週末に開催される「オーナー住居訪問ツアー」は、実際に生活している住まいを訪ねる企画で、別名「お住まい拝見」です。2013年から続く人気のイベントで、毎回多くの参加者が来られます。完成見学会とは異なり、「暮らし」を覗くことができるのと同時に、建て主の生の声が聞けるのも魅力です。また、当社の住宅には神奈川県産の桧と杉を使っていますが、経年変化で飴色になった木の質感も確かめてみてください。

最初に見学する「鎌倉の家」は2010年夏の竣工で、私が神奈川エコハウスで担当した2軒目の住宅になります。お施主様に対して「良い家を設計する」のはもちろん、当社の監督や大工、その他の社員からも「設計が上手い」と認めてもらう必要のあった時期です(笑)

haiken1921.jpg
敷地は道路面がやや狭く、奥に行くほど広がる扇型のような形状です。また、敷地内の高低差が大きいことは難点でしたが、坂を上った高台にあるため、南東方向に視界が開ける点は長所でした。幸いにも建て主からの要望が少なく、「お任せします」という感じがあったので、この特徴ある敷地を存分に生かした提案ができたと思います。ぜひ、建物からの眺めを体感してみてください。
数少ない要望の中に「民家のような骨太の木組みの家」があり、コンセプトハウスで使っている7寸角の柱も使いたいということで、大黒柱や差鴨居を使った骨太な木組みの空間になっています。中央には大きな吹抜けがあって、子供部屋の前のスタディコーナーやご主人の書斎が1階と緩やかにつながります。当時は小学生だった姉妹がここで勉強し、現役で国立大学に進学されたことで、子供部屋の外の学習スペースの有効性が実証されました(笑)ご家族の弁も聞いてみましょう。

haiken1922.jpg
庭・外構も見どころです。敷地の高低差はありましたが、建物は奥の高い所に納まり、道路際の低い所に木造のサイクルポートを造りました。その間の斜面を造園し、庭の中を蛇行するアプローチで玄関へ上ります。完成時は木が細く、土の部分が目立ちましたが、今では住宅の庭とは思えない雰囲気を醸し出しています。

次に見学する「藤沢の家」は2017年春の竣工で、祖父母が住んでいたという平屋の家を壊し、ご両親が暮らす家の隣に建てた子世帯の住まいです。「道路側にある桜の古木を残したい」というご両親の希望を受け、桜を除ける形で建物を計画し、親世帯のリビングからも桜が見られます。

haiken1923.jpg
敷地を分割しているので家を建てられる面積は限られ、建物も総2階のシンプルな形です。「総2階の切妻屋根」は見た目が悪くなりがちですが、そうならないように工夫しました。また、現在は駐車場である隣地に建物が建つことを想定した2階南面の吹抜け、水回りを2階にしてLDKの広さを確保している点など、これから家を建てる人には参考にできる面が多々あると思います。
室内は柱や梁を見せた架構デザインの空間です。建て主の希望で床に杉30ミリの厚板を張っている点は特別仕様ですが、柱・梁も杉、天井にも杉板を多用しているため、「杉の家」として統一感のある雰囲気になっています。

haiken1924.jpg
建て主が作成したA4用紙7枚の「家づくりプロジェクト計画書」が、今まで受け取った中で一番見事な要望書だったことも、この家の完成度に大きく影響しました。さらに、数多くの工務店を比較検討していたことも特筆に値します。当社と競合しそうな工務店をほぼ見学していた建て主は、他社の長所も把握しながら、最終的に神奈川エコハウスを選ばれました。当社を選んだ理由など、いろいろと質問することがありそうですね(笑)

このように今回お伺いする2軒の家は、「木組みをデザインした真壁の家」という点では似ていますが、その他は対照的な面が多くあります。それらを比較しながら見ていくのも面白いでしょう。また移動中のバスの中では、「住まいの教室」でお話しした内容も加えて解説を行う予定です。ぜひご参加ください。

岸 未希亜



-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-
創業から46年の実績。自然素材を使った健康住宅で地域に根ざす工務店
藤沢 鎌倉 茅ヶ崎 湘南 神奈川
新築もリノベーションも、注文住宅の木の家は神奈川エコハウスにご相談ください
木造住宅/和風住宅/和モダン/自然派健康住宅/エアサイクル住宅

Category
お知らせ
建築と住まいの話
よもやま話
ロコハウス
書籍・メディア掲載
Archeives