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2019.06.22 / 建築と住まいの話

飛騨へ修学旅行 中篇

一日目は高山市内に戻って、市街地を見下ろす北山公園内の高山観光ホテルに宿泊しました。ちょっとだけ飛騨牛も味わい、温泉にも入りました。飛騨高山温泉は、北アルプスの雪どけ水から生まれた清らかな温泉だそうです。
飛騨高山の名で知られている岐阜県高山市。「飛騨の小京都」などと呼ばれて、一般の人にもよく知られている観光地です。実は私が意識して初めて見た重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建地区)は高山でした。高校の友人と一緒に旅行をした19歳の時、私は「町並み」に目覚めたのだと思います(笑)

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翌朝は、7時半からの朝食前に町並みを歩こうと5時頃に一人で起床。車で来た時は、結構走った気がしましたが、市街地までは10分程度で下りられたので、ひと安心。たっぷり2時間は歩き回れます。後でまた来ることになりますが、9時を過ぎれば観光客も大勢いるでしょうし、皆を巻き込んで町の隅々まで歩くことはできないので(笑)

戦国時代の末期に越前大野に城下町を築いていた金森長近は、秀吉の命を受けて飛騨に入り、高山に城を築きます。高山は金森氏の良政で産業が発展し、町人文化も大いに栄えました。元禄期に幕府直轄の天領となった後も、旦那衆と呼ばれる大商人によって、高山の文化は受け継がれました。
その高山には2つの重伝建地区があります。一つは三町(さんまち)と呼ばれる南部エリアで、1979(昭和54)年に12番目の重伝建地区として選定され、1997(平成9)年に保存地区が拡大されました。もう一つは下二之町・大新町という北部エリアで、重伝建地区に選定されたのは2004(平成16)年です。北山公園から下りてきた所が大新町だったので、まずは大新町の重伝建地区を北の端まで歩きました。

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この辺りは道幅が広く、新しく改修されたと思われる建物も見られます。よく整備されていますが、観光客の多くもここまでは来ないだろうという気がしますし、19歳の私もここは歩いていません。
端まで来たので引き返し、重伝建地区の町並みを南へ歩いていくと、立派な町屋が並んでいる一角があります。

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上:吉島家住宅/下:日下部民藝館

この「吉島家住宅」と「日下部民藝館」はどちらも国の重要文化財で、内部も見学できます。早朝なのでまだ開いていませんでしたが、19年前は私も見学しました。

江名子川を渡った先も伝建地区の下二之町です。

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この辺りに来ると、私と同じように朝食前に写真を撮っている人、散策をしている人をちらほら見かけました。もちろん、画面から人が消えるのを待ってシャッターを切ります(笑)

安川通り(国道158号)を渡ると三町で、まずはそのまま上二之町を歩きました。

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三町の町並みの方が景観にそぐわない建物が少なく、町並みとしての完成度が高い印象。こちらは先に選定されているので、時間をかけて修景(補助金を受けて外観の改修を行う)が進んでいるのだと思います。

高山のハイライトは隣の上三之町です。

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道幅が狭いため、空よりも町屋の屋根や格子が視界に入り、町並みが格段に濃密です。私がこれまで見てきた町並みの中でも、この濃密さはなかなか他にありません。道幅の狭さに加えて人がいない早朝のなせる技でしょうね。朝は光のコントラストも弱く、撮影にも最適です。

ちなみに皆と一緒に来たのは約3時間後。

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写真だと陰影が強く出てしまいますが、店も開いていて活気があり、それはそれで良い雰囲気でした。思ったほど人が多くなかったのは、月曜だったからかもしれません。

町並みを通り抜けて宮川を渡ると、高山陣屋があります。

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1692年、金森氏を転封して高山を幕府直轄領にして以来、明治維新までの177年間は江戸から派遣された代官・郡代がここで政務を行っていました。徳川幕府郡代役所としては全国で唯一現存する建物だそうです。

駐車場に戻るのに再び上三之町を歩き、途中から宮川沿いの道へ。

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ここは朝の7時から露店が並ぶ宮川朝市。人混みを歩いていると、昨晩ホテルで聞いた高山の名物「めしどろぼ」を見つけ、思わず買ってしまいました。「めしどろぼ」は、ご飯がすすむことから名付けられた赤かぶの漬け物です。

前篇・後篇のつもりでしたが、高山だけで長くなってしまったので、上篇・中篇・下篇に改めます(笑)

岸 未希亜

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