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2018.08.31 / 建築と住まいの話

景色をつくる庭づくり

家が完成した時に、庭や外構も出来上がっているのが当たり前のように思いますが、様々な事情で庭や外構が未完のまま、お引っ越しされるケースもあります。例えば、お子様の新学期に合わせて外構の完成を待たずに入居するとか、あるいは外構工事の費用を抑えるため、玄関廻りだけ造って終わりにするとか、真夏や真冬を避けて樹木を植えるためなど、さまざまです。
今年の2月にお引き渡しをした茅ヶ崎の家は、真冬ということで南庭の造園工事を遅らせ、完成した時はデッキと板塀があるだけの閑散とした庭でした。

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北道路に面したカーポートとアプローチは2月に完成していましたが、南庭は春に植栽を入れて、すっかり見違えました。デッキの先には煉瓦積みの花壇もあります。大きな庭ではありませんが、リビングからだけでなく、和室や浴室からも庭を楽しむことができます。

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この日は、同じように北道路に面したカーポートとアプローチだけを造り、南庭は手つかずにしていた近所のお施主様を連れて訪問し、これから始まる造園工事の参考に見ていただきました。そちらの庭は広いので、藤木さんはまた違った庭を提案してくれると思います。

次は、5月にお引き渡しをしたお住まいです。完成見学会の時点で庭も完成しており、外から家を見ても室内から庭を見ても良い感じになっていて、見学された皆様からも好評でした。ちょうど3ヶ月が経過し、書類などを届けるために訪問しました。

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ポーチ板塀の足下に植えた下草も、暑さに負けずに勢いがあって目に鮮やかです。リビングの窓から外を見ると、和風な隣家の屋根とその向こうに洋風な家、そして街路樹の緑が目に入ります。
この家に遊びに来ていた人から「軽井沢にいるみたい」と言われたことを、お施主様は楽しそうに話してくれました。確かに言われてみれば、手前の家は万平ホテルの屋根みたいですし、奥の家は洋風のペンションみたいな雰囲気です(笑)

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この家には茶室があり、見学会には間に合わなかった石灯篭も入りました。お施主様がお茶をたててくださり、3帖の茶室でいただいた抹茶は格別な味でした。

3軒目は、1年半前に小田原で完成見学会を行った住宅です。こちらは敷地が広いので、最初から外構を全て完成させるのではなく、段階的に造り上げていきました。完成時は、アプローチがあって道路からもよく見える西側を中心に外構を造り、南側や東側は手つかずの状況でした。

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西側から南側にかけて、もう少し植栽を増やしたところで雑誌の取材を受けていただき、今年の春に敷地全体の造園がほぼ終わりました。やはり庭が完成すると、家の佇まいは素晴らしいものになります。

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「里山のようにしたい」というお施主様の希望を受け、全体を平らにならすのではなく、マウンドや窪みなどの適度な凹凸があって、自然の中にいるような雰囲気があります。奥様曰く、植えた樹木が綺麗なので、ちょっと洗練され過ぎたかしら、とのこと。
このお宅は水道の代わりに井戸水を使っていて、一部は庭に放流しているのですが、これも庭の風景として一体化していました。

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これまでは、窓を開けると見たくないものが見えていましたが、縁側や室内からの眺めが抜群に良くなりました。砂場で子供が遊ぶ様や庭の緑を眺めながら過ごすひとときは、実に羨ましいですね。

岸 未希亜

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