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2016.12.07 / 建築と住まいの話

大磯H邸 完成見学会の見どころ

今週末に見学会を開催する「大磯町H邸」の見どころを紹介します。

慎重に会社探しをされていた建て主からは、「住んでいるお宅を見たい」とのリクエストがあり、一つ二つと重ねているうちに、いつの間にか5軒のオーナー住居を見学されていました(笑)
その中には「住まいの教室」の「お住まい拝見」で訪れた2軒と、アースデザインオフィスで設計した岐阜県多治見市の住宅まで含まれているのですが、「居心地のよい家」を実感として理解できたそうです。また、オーナーの方々が当社の家づくりに満足していたことも、好印象だったようです。

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敷地は広い屋敷跡を開発した分譲地で、とても落ち着いた住環境です。北には小高い山があって木々が生い茂り、北隣りは広い庭をもつ別荘のため、北側の眺望に恵まれています。また、角地にあって非常に目立つ建物なので、家の中から見える景色だけでなく、道路から見られることも意識して計画しました。

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南北に細長い敷地のため、建物の東西幅は十分に取れませんが、LDKと和室がひと固まりになった間取りは、一体感と広がりが同居した心地よい空間です。小上がりの和室や階段下のスタディコーナーなど、変化に富んだ居場所が幾つもあるので、自然に家族がリビングの周りに集まるでしょう。そしてリビング全体が見える対面キッチンからは、階段と玄関も視界に入るので、家族の動きを見逃すことがありません(笑)

キッチンの背面には、勝手口のあるパントリー、洗面室・浴室・トイレの水回りをまとめました。2面道路のため、玄関と対角線にある勝手口も道路に近く、ゴミ出し動線としてベストな配置です。また北側斜線が厳しいため、水回りを北側の下屋にまとめることで、2階北面の屋根も軒をしっかり出すことができました。

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2階は日当りの良い南側に子供部屋を配置。初めは部屋どうしだけでなく、バルコニーへの通路まで一つの空間にして、1階リビングとの繋がりをもたせています。日当りを特に求めない主寝室と書斎は、強い光が射しこまず、かつ眺めの良い北側に配しました。自分だけの書斎は、お父さんには垂涎の空間です。
また、敷地の南側に十分なスペースが残るため、2台分のカーポート、アプローチ、広いデッキを造り、それらを樹木が包み込むような庭になっています。

私が担当して2016年に竣工した建物は10棟あります。山内龍雄芸術館に始まり、今回が9棟目の完成見学会(1棟は来年開催)になりますが、和風の住宅、平屋の住宅、小さな住宅など様々な家があり、各々に見どころや見せ場がありました。

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この大磯の住宅も、間取りや空間はもちろん、造り付けの食器棚、テレビ台、洗面台、間接照明、畳下の引出し式収納、ストリップ階段など、大工や家具造りの見せ場が多くあります。さらにダイニングの照明Aj Royal(louis poulsen)、ペレットストーブ、窓周りのブラインド類、そして家と一体の外構まで含めて見どころ満載の住宅です。2016年の集大成ともいえる大磯の家を、ぜひご覧ください。

岸 未希亜

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