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2016.12.13 / 建築と住まいの話

雑誌掲載のお知らせ1

雑誌「和モダン」に、当社で建築した住宅が掲載されました。

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掲載されたのは、昨年の4月に完成見学会を行った平塚の住宅です。これまで「和風住宅」や「和モダン」で取材を受けた住宅は、当然のことながら、当社の施工事例の中でも「和」の要素が強い住宅ばかりです。しかし今回の事例は、「和」を基調にしながらも、シンプルさとモダンさを併せ持つ、当社の「スタンダード」と呼べる住宅です。

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スタンダードと呼ぶ理由の一つは、総2階建ての住宅である点です。矩形(長方形)の総2階建ては、小さい敷地にも対応できて、構造もシンプルで建築費も抑えやすく、木造住宅の基本形と言えます。私自身は、これまで「矩形の総2階」を設計する機会が少なかったので、「総2階のスタンダード」をつくるつもりでプランを考えました。
まだ子供のいない若いご夫婦が建て主ですが、近い将来に「子育て家族」になるという点でも、スタンダードな間取りになっています。1階は和室(予備室)を設けず、ゆったりとしたLDKと玄関、水回りで構成されています。2階はリビング・ダイニングの上に吹抜けをつくり、その横に本棚のあるライブラリーを設けて人が溜まれるようにしました。2階と1階に分かれていても気配が伝わり、ひとつ屋根の下で家族を身近に感じられる空間です。

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子供部屋を初めはワンルームにしておいて、将来分けられるようにするのは定番の形ですが、「収納と寝るための部屋」2室と、勉強スペースに3分割し、この勉強スペースをライブラリーと繋ぎました。将来にわたって家族間のコミュニケーションが図りやすい工夫です。

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そして外観デザインも、「準防火地域のスタンダード」を目指しました。アルミ系サッシの防火性能不足が問題になって以来、準防火地域における開口部の制約は酷いものです。網の入っていない透明ガラスを使うため、あるいは金額を安く抑えるためには、シャッターサッシを使わざるを得ません。私個人としては、内と外の境界である開口部を両断してしまうシャッターは、その無骨な姿も含めて住宅に馴染まないと思っています。そこで「無骨なシャッターをいかに隠すか」も重要なテーマでした。

この家は、エアサイクル工法と床暖房を採用していますが、「実際に暮らしてみて良かったこと、悪かったこと」を建て主からお聞きしたので、紹介します。

「本当にシンプルで木と漆喰の温もりが暖かく、癒されます」
「夏は涼しくカラッとしていて、ジメッとした感じが無いです。冬はあれ?今日は寒くないのかな?というくらい暖かいです」
「吹抜けが明るさと風を運んできてくれて、とても気持ちがいい安らぐ空間になります。そして夜や冬は暖かさを、夏は涼しさを一階と二階で共有できます。全体を把握できるので安心感が得られ、また「抜け感」があるので窮屈さがなく、非常に気持ちがいい空間です」

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「悪かったことは、家が本当に心地よくて、仕事が終わると早く帰りたくなってしまうことです。友だちとの付き合いが悪くなってしまったことですかね(笑)」

建て主の感想は文中にも反映されていて、「華美ではないけれど、工夫があって居心地がいい。時代を超えて慈しむことができる」とあります。
この住宅は「総2階スタンダードモデルの家」として、近日中にホームページの「事例紹介」に加わります。お楽しみに。

岸 未希亜

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