ブログ

2014.03.01 / よもやま話

ひな祭り

雑誌の取材で先日、お引渡し後まだ1年経っていないお住まいを訪問した時、和室に立派な雛人形が飾ってありました。「十五人揃い七段飾り」という一番豪華で大きな雛飾りです。

hina1.jpg

これは奥様が子供の頃に買ってもらったもので、約40年前の雛人形です。
家を建てる前はアパート暮らしだったため、こんな立派な雛人形を飾るスペースは無かったそうですが、新居での初節句ということで、ご実家から持って来られたとのこと。明るい和室に飾られて、きらきら輝いていました。

hina2pho.jpg      その時の撮影風景(吹抜と全開サッシで開放感抜群です)

ひな祭りの歴史は古く、平安時代の中頃、三月最初の巳(み)の日に身代りの人形(ひとがた)を作り、陰陽師を呼んで無病息災のお祓いをしていました。
また、紙で作った人形を使った「ひいな遊び」と呼ばれるままごとが貴族の間で行われていて、この2つが結びついたものが「ひな祭り」の起源だそうです。

ご存知の方も多いと思いますが、雛人形には「衣裳着(いしょうきせ)」と「木目込み(きめこみ)」という2つの種類があります。
今回見せていただいた人形もそうですが、仕立てた衣裳を胴体に着せ付けるタイプのものが「衣裳着人形」で、市場に出回っている雛人形の約7割を占めるため、一般的にイメージされる雛人形はこちらだと思います。
それに対して、木製の胴体に溝を彫ってそこに布地の端を埋め込んで衣裳を着せるタイプを「木目込み人形」と呼びます。小さい雛人形が多く、飾る場所や収納スペースを選ばないため、最近の住宅事情に叶っていると言えますが、衣裳着人形のような衣裳のボリューム感、豪華さがないのが欠点です。

hina3.jpg

これは、わが家に飾ってある木目込み人形です。今から9年前、長女が初節句を迎える際に、人形店が数多く建ち並ぶ東京都台東区浅草橋で買いました(当時は東京都江東区に住んでいたので浅草橋は近所でした)。

親王飾り(二人飾り)なので本当に小さな雛飾りですが、作者によって顔立ちが異なり、表情もいろいろな種類があるので、幾つも見比べて「美人」を探し出したことを思い出します(笑)

岸 未希亜

Category
お知らせ
建築と住まいの話
よもやま話
ロコハウス
書籍・メディア掲載
Archeives