事例紹介

内側に開く、美しい平屋の家。

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"自分が住むなら平屋がいい"と決めていました。

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小田原市内の住宅地。その一角にあるのがK様のお宅です。道路側から見えるのは低く構えた屋根と、玄関と、駐車場のみ。一見すると小さく閉じられた気配さえ感じさせる佇まいは、一歩中に入ると庭に向かって大きく開け、その印象を変えます。

庭を囲むようにL字型に設計された平屋造りの家。無垢の梁と柱、白い真壁を基調としたLDKの大空間はその庭に向かって開かれ、視線を移せば稲穂が揺れる田園風景が広がります。

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生まれた時から祖母と一緒に、田の字型の古い平屋で暮らしていたので、"自分が住むなら平屋がいい"と決めていました」と話す奥様。聞けばK様は骨董や古家具など、古いものをこよなく愛するご夫婦なのだとか。古い振り子時計が時を刻む音が心地よく響くリビングで、平屋への想いを語ってくださいました。

時を経ても変わらず美しい家は、やっぱり平屋だなって。

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「私は美しい家を見るのが好きで、街にあるいろいろな家を眺めてあれこれ考えるんです。家って、建てたばかりの時はみんなきれいなんですよ。でも、流行を追った家って、時代とともにどうしても色あせて見えてしまう。時の流れを経ても、変わらず美しいって思える家は、やっぱり、昔ながらの平屋だなと感じていました。もう少し若い頃だったら、平屋という選択はしなかったのかも知れません。でも、ある程度の年齢になって、この先、長く自分と家族が住む家をイメージしたとき、最後に残ったのは、昔暮らしたあの平屋の姿だったんです」。

実際、本物の古民家をリノベーションする道も考え、中古物件を探した時期もあったそうですが、なかなか理想の家は見つからず。その後、新築を検討するために住宅会社や工務店を10社以上巡ったと言います。

「いろいろと探していく中で、神奈川エコハウスさんの考え方や、コンセプトハウスのイメージが、私の求めていたものと近いと感じました。こちらの言うことだけを聞くのではなく、しっかり考えてプロとして提案してくれる姿勢もよかったですね」。

こうしてこの家が完成したのは2014年夏のこと。それから3年あまりのときを過ごしたK様が感じている、住まいの魅力について聞いてみました。

行き止まりがない回遊式の間取りも気に入っているんですよ。

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玄関から短い廊下を経て室内に入ると、L字の長辺に当たる南向きの部分にLDKが広がります。庭に向かって解放された大きな窓は開放感も抜群。L字型の平面計画で道路からの視線を遮り、プライバシーと日照、通風をしっかりと確保し、落ち着いた住空間をつくり出しています。

「こちらから具体的なお願いをしたわけではなくて、平屋にこだわりたい理由や、想いの部分だけをお伝えして、このプランができあがりました。最初に見せていただいたプランでほぼ決まりでしたね」と奥様。

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「家の中に行き止まりがない回遊式の間取りも気に入っているんですよ」という言葉の通り、リビングの先には造作デスクで緩やかに仕切られた娘さんのための勉強スペースがあり、その奥には寝室。さらに寝室はウォークインクローゼットとつながっており、そこを抜けるとキッチンサイドへ戻ってくる。この回れる動線の間取りは、とても効率的だと言えます。

「私たちは共働きで、特に朝の時間は1秒でも惜しいくらい忙しいんです。そんな暮らしだからこそ、使いやすさにはこだわりました。買い物とか、洗い物とか、朝のゴミ出しとか、そういった日々の動作の中でも違いを感じますね」とのこと。平屋の限られた面積の中で、最大限の広がりと機能性を実現する工夫も、K様一家のお気に入りのポイントとなっているようです。

トータルバランスで美しく暮らす。

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「キッチンをこうしたいとか、リビングはこうじゃないと......みたいなことではなくて、家全体のバランスが美しい家にしたかったんです。いろいろな会社を見て回ったとき、どうしてもちぐはぐに感じてしまう家が多かったんですよね」と奥様。軒を出して高さを抑えた低いフォルム。風通しを考えた窓の配置、陰影のある日本家屋の風情......この家は、日本家屋の伝統的エッセンスをしっかりと受け継ぎながらも、隠す収納や機能的な動線設計など、現代のライフスタイルに寄り添うようにデザインされ、「美しい家」を愛する奥様の想いにもしっかりと応えています。

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「3年間住んでみて改めて感じているのは、木の家の良さ。外から帰ってくると木の香りを感じますし、空気感も違う。人と風の通り道がしっかりデザインされているから、住んでいて本当に気持ちがいいんです。住んでいて元気になれるというか。この家が本当に大好きなので、これからもじっくり楽しんでいけたらと思っています」。

手入れの行き届いた空間と、家族3人の笑顔。奥様が想い描いた平屋の原風景から生まれた、新しいくらしの景色を見ることができました。

くらしの景色