事例紹介

暮らし、集まり、楽しむ。ステップフロアの家。

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いつか夫婦で暮らす家を建てようと思って。

平塚市内の郊外にある緑豊かな住宅地。2010年の完成から時を経て、しっかりとこの土地に根付いた庭の木々に包まれて暮らすのはK様ご夫妻。お子さんも成人し、ご夫婦で、ゆったりとした時間を楽しまれているK様に、この家を巡る物語をうかがいました。

「"いつか夫婦で暮らす家を建てよう"と思ってこの土地を購入したのはもう15年くらい前のことです」と、当時を振り返る奥様。しばらくそのままにしていた土地に、新しい家を建てようと思い立ったのは、奥様がお仕事を辞めたタイミングでした。

「それまでも、モデルハウスや展示場はよく見て回っていました。でも、なかなかイメージに合う家と出会えなくて」。

そんなとき、偶然、雑誌で見かけたのが神奈川エコハウスだったそうです。

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「それまで住んでいた家は、若い頃に建てたもので、出窓や吹き抜けなど、当時の流行をいろいろ取り入れてみたものでした。でも、実際に暮らしてみると、冬は寒いし、夏は暑い。結露も多くて、住み心地や使い勝手に不満がありました。流行に乗ったせいか、長く住んでいるうちに飽きてしまった。ということも大きかったですね。だから、"長く住める木の家がいい"と思うようになって。若い頃ならこういう家を建てようとは思わなかったかも知れません」。 そんな奥様の審美眼に応えるために、神奈川エコハウスが造り上げたのがこの家でした。

いろいろな段差があると、思い思いの過ごし方ができる。

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お子さんがすでに成人されていたこともあり、家族が集まるのは食事くらい。そこで、キッチンとダイニングを軸にしたデザインをご提案。また、「遊び心がほしい」というご要望から、室内空間に楽しい変化を生み出す、床に段差のあるリビング・ダイニングをデザインしました。リビングには床の中にフラットに収納できる掘りごたつを配置。敢えて部屋に対して斜めに置くことで、ダイニングとリビングのコミュニケーションが生まれやすくなるよう工夫しています。

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「住みはじめて感じたことは、とにかく快適で、使い勝手がいいということ。"家具を増やしたくない"というリクエストで造ってもらった造作棚や収納も機能的で気に入っています。いろいろなところに段差があると、どこでも座れて、思い思いの過ごし方ができるのもいいですね。どこにいても気持ちいいから、ついつい、ごろごろしてしまうんですよ」と奥様。定年を迎えた旦那様も、「家にいるのが気持ちいい」と言って、あまり出かけたがらないのだとか。

お気に入りは「特等席になるキッチン」。

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この家での暮らしを心から楽しんでいる奥様に、一番のお気に入りの場所を教えていただきました。 「私はこのキッチンからの眺めが大好きなんです。床が高くなっているので、ダイニングに座っている人とも目線が揃うし、庭の緑も見えるんです」。

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キッチンが特等席になる家。食事を中心としたコミュニケーションがしっかりと息づいていることがうかがえます。

寝室は名旅館の客室をイメージしてデザインしてもらいました。

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キッチンと並んで、奥様のお気に入りの場所。それが2階の奥にある寝室です。 「山形県にある『湯どの庵』という旅館のお部屋をイメージしたデザインを提案してもらったんですよ。」と奥様。床から一段上がるかたちで畳が敷かれ、茶室のにじり口を思わせる低い窓、梁と柱を見せる真壁など、和の要素が散りばめられた空間は、落ち着いた中にも非日常が感じられ、ご夫婦にとって癒やしの空間になっていました。

一緒に住むのではなく「集まる」という暮らし方。

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K様のライフスタイルには、ちょっとユニークな部分があります。 「この家に住んでいるのは私と主人と、まだ結婚していない息子の3人だけ。でも、この裏には娘の家もあるし、私の実家もすぐ近くなので、気軽に集まれる。実家の母は、散歩がてらにうちに来て一緒に夕食を食べて、お風呂に入っていくのが日課になっています」と言います。

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家族が一緒に住むのではなく、別々の生活を営みながらも、好きなときに集まり、時間と空間をゆるやかに共有する。これもまた、豊かな暮らしの景色のひとつかも知れません。

くらしの景色