事例紹介

健やかな木の家と、鮮やかな木の庭。

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ほしかったのは、「健康を守ってくれる木の家」。

耳をすませば、どこからともなく響いてくる鳥のさえずり。緑が豊かに残る大和市内の住宅地に居を構えるのがK様ご夫妻。今は元気な笑顔を見せてくださるおふたりですが、ご主人は元々、化学物質に敏感で「健康を守りたい」という課題を持って家造りに望まれたそうです。出会いから、お引き渡し、そして、現在に至るまで。K様ご夫妻の家造りと暮らしについてお話をうかがってみました。

「私が化学物質に反応しやすくて、" 新しい家を建てるなら木や漆喰などの自然素材を使った家にしたかった"という希望が出発点ですね。ちょうど近所に住宅展示場があって、一度は見学に行ってみたんですが、その後、何度も売り込みがあって、正直、辟易していたんです。そんなとき、神奈川エコハウスさんの新聞広告を目にして、声をかけさせていただきました。神奈川エコハウスさんは、他の住宅会社と違って、強引な売り込みもなくて安心感がありましたね」。

そんな出会いをきっかけに、K様は辻堂のコンセプトハウスを訪問することに。

「"これぞ木の家"という感じで、とても気に入りました。でも、あくまでもモデルハウスなので、実際の自分たちの生活にあてはめて考えると、"ちょっと現実的ではない" と感じるところもありました。そのため、計画をはじめてからは私たちの率直な希望もお伝えしましたが、設計担当の方が以前の住まいも参考にしながら、敷地や周辺環境も読み込んで、今のかたちを提案してくれました。

家造りのプロセスを見守ることの大切さ。

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そんなコミュニケーションを経て、本格的な家造りがスタート。K様はそのプロセスにもいろいろなことを感じていたとか。

「みなさんがプロ意識をもって仕事をしてくれたのがとても気持ちよかったですね。職人さんたちがみんな、とにかく道具を大切にされていることにも驚きました。仮住まいが近所だった のでたびたび現場に足を運んでいたのですが、とても寒い冬の時期の中でも、決して急がずにきれいに仕上げてくれる姿が頼もしかったです。それに、建築途中の現場は本当にたくさんの木が使われていて、まるで林の中にいるような感覚を覚えました。」

また、現場に足繁く通い、木の家ならではの魅力も再認識されたそうです。

「柱や梁、筋交いなどが縦横に組み合わさっているさまは、とても頑丈そうに見えるし、何よりとても美しい。完成したら見えなくなってしまう部分がほとんどですが、家を建てようとする人には見てもらいたい部分ですね」。

快適な家に住む。それが健康の秘訣。

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こうして完成までの工程をしっかり見守りながら手に入れた新居。お引き渡しから約4年の時を経て、どのような生活を楽しまれているのかをうかがってみました。

「もうずっと毎日これをやっているんです」と、K様が見せてくれたのは、家の中の温度と湿度の記録。建て替えて以来、毎日計り続ているのだそう。

「"おもしろいな"と思ったのが、室内の温度と湿度があまり変わらないこと。漆喰と木は、乾燥している時には水分を吐き出し、ジメジメしている時には吸ってくれるとは聞いていましたが、それは本当なんですね。建物全体が温かいから、冬場のトイレや浴室も寒くないですし。何より、風邪をまったくひかなくなったことはうれしいですよね」。

これはもちろん、K様がご自身の健康にしっかり配慮しているからこその結果とも言えますが、家が果たしている役割も決して小さくはないことも、住まわれているK様の元気な表情が物語っていました。

質と価値のバランスを大切にしたい。

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化学物質に敏感なこともあり、洗剤や食材なども添加物には気をつけているというK 様。「多少高価でも品質にはこだわりたい」という考えは、家造りにも通ずると言います。

「例えばスーパーなどで売られているお弁当などを見ると、信じられないくらい安いものがありますよね。原価を考えてみたら、本当にあり得ないと思うんです。あの価格を成り立たせるには、やはり添加物などに頼らざるを得ないはず。洗剤などの日用品なども成分にこだわっていくとどうしても価格が高めになりますが、そういうものに対する価値を見出すことができるかどうか。確かな価値を手にするには相応の価格が生じることをもっと認識するべきだと思うんです。この視点は、私たちの家造りにもつながるんだと思いますね」。

木の家で暮らすこと。木とともに暮らすこと。

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ご自身の健康を出発点に、木の家を造ろうと考えたK様。大和市の景観づくりの活動に参加していることもあり、木を大切にしているのは室内だけではありませんでした。庭に目をやると、さまざまな種類の木々が根を張り、四季折々の表情を見せてくれています。

「玄関横の菊桃は亡くなった父が植えたもので、これだけは残したかったんです。3月の下旬くらいに鮮やかなピンク色に咲き誇る様子は、近所の方も楽しみにしてくれているんですよ。ほかの植栽のほとんどは落葉樹を植えてもらったので、季節によっていろいろな姿を見ることができます。秋が終わるころにはメジロのつがいがやってきて、みかんを置いておくとすぐそこでついばんだりして。深めのお皿に水をためておくと、その水を飲みにヒヨドリやシジュウ カラなど、いろんなお客さんが来てくれますよ」。

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穏やかな表情でそう語ってくださったK様。引き渡しから歳月を重ねた今でも、神奈川エコハウスへ季節ごとにお便りを送っているのだとか。その中で綴られた「木に守られて住んでいるような気がするんです」という一言は、K様が望んだ暮らしの景色がしっかりと実現されている証なのかもしれません。

くらしの景色