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2025.12.15 / よもやま話

17年ぶりの昇格

1994年に10チームでスタートしたJリーグは徐々にチーム数を増やし、2024年からJ1、J2、J3のチーム数を20チームに統一した60チーム編成になりました。J1に所属するチームはそれなりに知られていますが、サッカーを見ない人にとってJ2以下のカテゴリーに所属するチームは馴染みがないでしょう。でも福井県、滋賀県、三重県、和歌山県、島根県を除く42の都道府県にはJクラブがあるのです。
今年は高知ユナイテッドSCが高知県から初めてJクラブの仲間入りをし、逆に、いわてグルージャ盛岡がJ3からJFL(アマチュア全国リーグ)に降格して、岩手県が「Jクラブの無い県」になってしまいました。

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SportsGraphic Number1127号より

ホーム&アウェイで38試合を戦うリーグ戦の結果、J1の下位3チームとJ2の上位3チーム(1位、2位は自動昇格。3~6位がプレーオフで3番目の枠を争う)が入れ替わり、J2の下位3チームとJ3の上位3チーム(J2と同じ)も入れ替わります。

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朝日新聞11月30日朝刊より

J2で優勝したのは水戸ホーリーホック。Jリーグ(J2)参入から一貫してJ2に留まり続けましたが、26年目にして初のJ1昇格でした。水戸の年間予算はJ2でも最低クラスの約12億円(チーム人件費2億5000万円はJ2平均以下)で、お金の無い典型的な地方クラブです。有名選手や外国人選手を雇う余裕がないため、常に若手主体のチーム編成ですが、出場機会を求めて移籍してきた若手選手が活躍するなど、地味に存在感を発揮しているクラブです。過去には田中マルクス闘莉王(元浦和/名古屋)、塩谷司(現広島)、前田大然(現セルティック)らが在籍し、水戸を足掛かりに日本代表にまで上り詰めました。

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SportsGraphic Number1132広告より

J2の2位はV・ファーレン長崎。2018年に1年だけJ1を経験しており、8年ぶり2度目のJ1昇格です。長崎はジャパネットグループ傘下のサッカークラブで、チーム人件費も潤沢(J2トップ水準)な上、昨年秋に「ピーススタジアム」というサッカー専用スタジアム(収容人員20,027人)が完成し、施設面でもトップクラスです。地方自治体の競技場ではなく、民間企業がスタジアムを建設して所有している所が本当にスゴイことで、ホームグラウンドの「ケーズデンキスタジアム水戸(水戸市立競技場)」がJ1基準(15,000人以上)を満たしていない(収容人員10,152人)水戸とは雲泥の差と言えます。
長崎も一時は経営が傾いて存続が危ぶまれましたが、ジャパネットグループに救済されたことで復活。昨シーズンはリーグ3位ながらプレーオフ敗退に終わりましたが、今シーズンは2位での自動昇格。元日本代表の高木監督、元日本代表の山口蛍キャプテンに率いられ、再びJ1に挑みます。

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サッカーダイジェスト選手名鑑より

そしてこの週末に、「3番目」を決めるJ1参入プレーオフ決勝が行われました。対戦カードはジェフユナイテッド千葉(3位)vs徳島ヴォルティス(4位)。徳島はJ2歴の長い実力派チームで2014年、2021年の2度J1で戦っていますが、いずれも1年で降格しています。千葉(当時はジェフユナイテッド市原)は1994年のJリーグ開幕時から名を連ねる「オリジナル10」ですが、2009年に最下位でJ2に降格すると辛苦の日々を重ね、2010年から16年間もJ1に戻ることができていません。

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SportsGraphic Number641号(2005年)より

千葉は、後に日本代表監督になるイビチャ・オシムに率いられた2003~2006年、「考えながら走る」サッカーでJ1を席巻し、2005年、2006年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を連覇します。当時のジェフ市原は、日本代表が目指すべきスタイルと思わせる見事なサッカーを展開していました。

千葉はリーグ戦の勝ち点が69で、水戸(70)、長崎(70)との差は僅か1でしたが、プレーオフに回ることになり、1回戦でRB大宮アルディージャ(6位)と対戦しました。後半開始早々に3点目を奪われて0-3の窮地に陥りますが、後半26分から僅か16分で4ゴールを奪って奇跡的な逆転勝ちを果たします。

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朝日新聞12月14日朝刊より

そして迎えた決勝。リーグ戦の上位チームはホームアドバンテージと、引き分けでも昇格という大きなアドバンテージがありますが、0-1の敗戦もあり得るため、緊迫した試合展開となりました。ホームのフクダ電子アリーナ(収容人員19,470人)は試合観戦には持って来いのサッカー専用スタジアムで、サポーターで黄色く染まったスタンドを見れば、選手の気持ちは自然に奮い立ったでしょう。
試合は1-0で千葉が勝利を収め、17年ぶりのJ1昇格を手にしました。ピッチの選手が膝をついて喜びを噛みしめる様、ベンチ前の抱擁、スタンドの歓声、どれもがジェフ千葉の待ち望んだ光景でした。オシムも天国で喜んでいるでしょう。

岸 未希亜

<おまけ>
週末にJ3最下位のアスルクラロ沼津とJFL2位のレイラック滋賀FCの入れ替え戦(ホーム&アウェイの第2戦)が行われ、1勝1分で滋賀が昇格を決めました。滋賀県初のJクラブ誕生です。

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