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2024.10.04 / 建築と住まいの話

父と娘の四国旅行4 讃岐前編

3日目は香川県でレンタカーを乗り捨てるため、2日間乗ったレンタカーは返却して松山駅近くのホテルに宿泊しました。近くに歩いて行ける観光スポットが無かったので、3日目の早朝散策はありません。チェックアウト後に新たにレンタカーを借りて、まずは道後温泉に立ち寄りました。

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立ち寄ったと言ってもお風呂に入った訳ではなく、建物の前で記念撮影をしただけ。帰って妻に話をしたら「温泉に入らないなんて信じられない」と呆れられましたが、それが父と娘の旅なので(笑)

松山を出て松山自動車道で香川県に向かいました。四国と言えば、弘法太子の足跡を辿って四国八十八ヶ所の霊場を巡礼する「お遍路」が有名ですね。現在ではマイカーや電車・バスを利用する方が多いそうですが、全体の1割ほどと言われる「歩き遍路」が本来の姿です。歩き遍路だと回るのに40日程度かかるため、何回かに分けて八十八寺を回る「区切り打ち」が一般的ということです。

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その四国霊場の第66番札所「雲辺寺(うんぺんじ)」を訪れました。

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香川県と徳島県の県境にある雲辺寺の住所は徳島県ですが、香川県の第1番札所になっています。標高927mの雲辺寺山にあり、四国霊場中最高峰に位置することから別名「四国高野」と呼ばれ、蛇行する山道を上りに上った先に漸く駐車場がありました。

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さらに木立の中を10分ぐらい歩くと雲辺寺境内に到着。納経所で駐車料金を払い、千手観音坐像を安置する本堂でお参りしました。境内の裏に県境があり、香川県側に雲辺寺山頂公園があります。

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讃岐平野や瀬戸内海が眼下に広がる山頂公園からの眺めは、箱庭を見ているような感じがしました。ここには2020年に設置された「天空のブランコ」があります。私は全く知りませんでしたが、インスタ映えスポットとして知られていることを娘に教えられました。

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山頂公園の端っこに立っているため、座り漕ぎすると空へ飛び出して行くような感覚が味わえるブランコです。ブランコを漕ぐ様子を撮影できるよう、専用のフォトスタンドが立っていますが、床に這うようにローアングルから撮った方が迫力ある絵になりました。

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次に訪れたのは「こんぴらさん」こと琴平町の金刀比羅宮で、私は2度目の「こんぴら参り」です。

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庶民の旅行が禁止されていた江戸時代、神仏への参拝は例外で、お伊勢参り(伊勢神宮)、京参り(東本願寺・西本願寺)と並んで「こんぴら参り」も人気でした。表参道から階段は始まり、山の中腹にある御本宮までは785段もあります。二層入母屋造り瓦葺きの立派な大門の前でひと息つき、振り返ると参道がよく見えました。

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大門の先は「桜馬場」と呼ばれる緩い坂になっていたりして、石段が連続して785段ある訳ではありません。それでも気温35度前後の暑さの中では苦行でしたが、御本宮(重要文化財)にたどり着いた時の達成感は何とも言えないものでした。御本宮の御祭神は、大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳天皇で、古来から農業・殖産・医薬・海上守護の神として仰がれています。

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ここからさらに583段の石段を上った先には厳魂神社(通称「奥社」)がありますが、私たちは御本宮で引き返しました。金刀比羅宮がどんな所か知らずに連れて来られた娘にはブーブー文句を言われたので、帰りにソフトクリームを与えて機嫌をとりました(笑)

次に訪れたのは観音寺市にある高屋神社で、ここも娘が希望したインスタ映えスポットです。

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標高404mの稲積山山頂に本宮があり、観音寺市の町と瀬戸内海を一望する「天空の鳥居」が有名で観光客が絶えないそうです。頂上付近にある駐車場への林道は狭く、落石によって今年6月から通行止めになっていたため、仕方なく麓にある下宮の駐車場へ。ここから山頂までの距離は17丁(約1853m)あって、険しい山道なので徒歩50分と表示されていましたが、もう行くしかありません(笑)

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石ころ混じりの整備されていない土の道が延々と続き、金刀比羅宮に続く本日2度目の山登りは身体に堪えましたが、休みなく歩き続けたので30分余りで山頂に至りました。最後は270段の急な石段に迎えられ、上り切った所に鳥居が立っていました。

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眼下に広がる陸地と瀬戸内海の海岸線だけでも綺麗ですが、鳥居があることで非常に印象的な景色になっています。着いた時は息も上がって汗だくでしたが、この絶景には癒されました。苦労して山道を上って来たことで有難みも感じましたし、通行止めだったことは良かったのかもしれません。

最後に訪れたのは、三豊市の父母ヶ浜(ちちぶがはま)です。

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ここも娘が希望した場所で、水面に映り込んだシルエットが鏡のように上下対称に反射する様が、ボリビアのウユニ塩湖に似ていることから「日本のウユニ塩湖」と呼ばれています。もともとは単なる海水浴場でしたが、SNSに投稿された写真をきっかけにして年間45万人が訪れる絶景スポットになったそうです。

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撮影の条件は、シルエットが黒くなる日の入りの時刻と干潮が重なる日で、さらに無風で水面が揺れないことも必要条件です。8月初めがちょうど日没と干潮が重なる絶好のタイミングだと知った時は「よっしゃ」という気持ちでした(笑)。そんな訳で今日のスケジュールは全てここから逆算。レンタカーの返却地を20時までに戻れる丸亀にしたのもそのためです。

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いくら干潮でも実際に海面の中を歩いていくことは不可能で、潮が引いて手前に広い水溜りが残っている部分を使って撮影しました。間の砂地部分がちょっと広いのでウユニ塩湖のようにはいきませんでしたが、まずまず狙い通りの写真が撮れたのではないでしょうか。

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この日、娘は「こんぴら参り」以外は大満足だったはずです・・・(つづく)

岸 未希亜

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