今週末に見学会を開催する「川崎市麻生区R邸」の見どころを紹介します。
研究熱心な建て主は、会社選びにも慎重を期していたようで、当社が企画した「お住まい拝見」に参加された時も、メモを取りながら沢山質問をされていたことが印象に残っています。
敷地は整然と区割りされた閑静な住宅地の一画。斜面地を切り開いた住宅地ですが、計画敷地と前面道路との高低差がないため、擁壁などの外構工事費がかからない点、南側隣地が一段低く、日照・採光が得やすい点は恵まれています。
しかし北側道路なので、建物と駐車スペースの配置が計画上の重要ポイントです。北道路の敷地で車を直角駐車にすると、カーポートを避けて建物を計画することになるため、1階は真四角でない平面形になる可能性が高くなります。今回は2階も雁行させたことで、その凹凸のある形が各階での必要十分な広さの確保、そして無駄の少ない間取りを実現しました。
建て主は2人の小さな子供をもつご夫婦で、大切にしたのはパッシブデザインと断熱気密性能です。南の窓を大きくすることで冬の日射取得を確保し、窓を開ければ通風を促します。そして２階屋根の軒を深くし、1階にも土庇を設けることで夏の日射遮蔽を実現しています。
そして、2階南側に4畳半大の吹抜を配置することで日射取得と採光を補強。吹抜によって１階と2階をワンルーム化しますが、温熱環境的には吹抜がプラスに作用します（気密はC値0.3）。暖房は床下エアコン1台、冷房は2階に2台のエアコンを設置して快適に暮らす住宅です。
玄関に手洗いを設ける代わりに、洗面室を玄関の近くに設けました。最近採用例の多い「病院用流し」を使った深い洗面台です。その隣には洗濯機とガス乾燥機、室内干しスペースのある家事室を併設しました。
また、「落ち着ける場所にスタディコーナーをつくりたい」という要望があったので、LDKの北側に2～3人が並べるデスクカウンターを造り、竪格子と本棚で囲う形にしました。リビングやダイニングのすぐ横だと、勉強中はテレビを見られないことがありますが、これならスタディコーナーからテレビが見えません。
庭・外構はまだ完成していませんが、特注色のグレー色にした左官仕上げの外壁も見どころ。他にも在宅ワークを可能にする2帖の書斎、吹抜の南面に設けたキャットウォーク、桧板張りにしたリビングの天井など、ぜひ現地でご覧ください。
岸 未希亜
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