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2021.10.31 / 建築と住まいの話

4年越しのラブコール

今週、「和モダン」という書籍の取材で、お施主様の家を訪ねました。
この家が完成したのは2017年1月で、4年半以上前に遡ります。ご主人のお父様が一人で暮らしていた平塚市の実家を建て替え、お父様と息子家族が同居する住宅として計画したものです。

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建て主であるご主人が転勤族なので、お施主様の「移動」だけでも話題は尽きません。
計画時は埼玉県鴻巣市にお住まいで、そこから打合せに来られていましたが、年が明けるとご主人が名古屋へ転勤になり、打合せの週末は名古屋から鴻巣に戻って、改めて家族と一緒に藤沢まで来るというハードスケジュールになりました。
その年の4月になるとご家族も名古屋へ引っ越され、引越し後の2回の打合せは私が名古屋へ伺いました。その後は平塚の実家を利用して1泊2日で打合せに来られましたが、いつも長い移動距離でした。
家が完成した時は、お嬢さんが小学4年生だったので、中学入学のタイミングまでは名古屋に留まり、2年間はお父様が一人で住まわれました。2年後にお嬢さんが中学生になるのですが、ご主人は大阪に転勤となったため、奥様と子供2人だけが平塚へ移り、ご主人は大阪で単身赴任生活。そして今春、ご主人が首都圏に転勤となったため、晴れて5人全員が揃ったのです。実に竣工から4年以上が経過していました。

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前日は晴れ、翌日も晴れの予報でしたが、撮影当日だけは「雨のち晴れ」という生憎の天気。撮影前の9時頃には雨が強く降っていたので、室内から撮影を始めました。写真家の斎藤さんは人物を入れた写真も撮る人なので、軽く演技指導をしながら奥様がキッチンに立つ写真なども撮りました。奥様は自分が写るとは思っていなかったので戸惑っていましたが、良い写真が取れたみたいです。

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三世代同居に加えて、ご主人のお姉様家族が来ることも多いため、リビング・ダイニングはもちろん、キッチンも少し余裕のある広さにしてあります。建具を引き込めばダイニングとの一体感があり、建具を閉めれば独立するキッチンで、ステンレス製の配膳台は飲食店の厨房のようにも見えました。

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絵に描いたような旗竿敷地のため、工事をする上で庭の一部は撤去せざるを得ませんでしたが、可能な限り、庭の樹木や北側にある柿の木を残しました。場所の記憶を引き継ぐことで、お父様にはもちろん、近所の方にとっても、新しい家が違和感を持たれないように心掛けたつもりです。

以前から撮影か取材をお願いしたかったのですが、なかなか全員揃わなかったため、腰を落ち着けてという感じでもなく、延び延びになっていました。4年越しのラブコールが実った感じです(笑)
もうすぐ5年となるこの家が、全員揃って再出発したことを実感するひと時でした。

岸 未希亜

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