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2021.07.29 / よもやま話

東京五輪の事件簿

東京五輪が開幕するなり、立て続けに日本選手が活躍しています。一方で、前評判の高かった選手が結果を残せない「事件」が幾つも起きて、スポーツウォッチャーの私はかなり驚きました。
前回2016年のリオデジャネイロは地球の裏側だったので、深夜や早朝のテレビ観戦が続いて過酷でしたが、東京大会は仕事中に競技が行われてしまうので、それはそれで過酷です(笑)

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朝日新聞7月25日 朝刊より

最初に起きた事件は「競泳」の400メートル個人メドレー予選。優勝候補筆頭と思われた瀬戸大也が予選9位(タイム差0秒32)で予選敗退してしまいました。原因は米国時間に合わせた午前決勝、前日の午後予選という変則タイムスケジュールにより、身体が動きやすい午後に行われた予選で好タイムが続出したことです。決勝のために力を温存したことは責められませんが、予選8位のタイムが2019年世界選手権銅メダル相当の記録になるとは予想できなかったみたいです。

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朝日新聞7月25日 朝刊より

同じ日にもう一つの事件がありました。「体操」種目別鉄棒の予選に出場した内村航平が、演技中に鉄棒から落下してしまって予選敗退。H難度のブレットシュナイダー、G難度のカッシーナ、E難度のコールマンという三つの離れ技を成功させた後に、D難度の「シュタルダーとび1回半ひねり片大逆手」でバーをつかみ損ねました。試合では失敗したことのない技だそうですが、直前の公式練習でも落下していて、悪いイメージが残っていたのかもしれません。2大会連続個人総合金メダリストの呆気ない最後でした。

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朝日新聞7月29日 朝刊より

次の事件は「バドミントン」男子シングルスの予選。世界ランキング1位で優勝候補と目された桃田賢斗が一次リーグで1勝1敗となり、準々決勝に進めませんでした。2018年から五輪本番までランキング1位をキープし、2018年、2019年の世界選手権を連覇した王者ですが、マレーシアでの交通事故、復帰後もコロナ渦で国際大会への参加が限られ、不安を抱えての本番だったようです。残念でした。

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朝日新聞7月30日 朝刊より

「バドミントン」女子ダブルスでも事件が起こりました。日本代表の2ペアが揃って準々決勝で敗れたのです。「フクヒロ」こと福島由紀・廣田彩花は世界ランキング1位、「ナガマツ」こと永原和可那・松本麻佑は世界ランキング2位。金メダルを賭けてこの2組が決勝を戦うことも想像できただけに、準決勝にも進めなかったのは「まさか」の出来事でした。

逆に、予想を超える金メダルラッシュによって、大きな歓喜と感動がもたらされました。

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朝日新聞7月27日 朝刊より

「柔道」は「金メダルを取って当たり前」というプレッシャーの中、男女合わせて史上最多の9個の金メダルを獲得。「スケートボード」男子ストリートで堀米雄斗、女子ストリートで13歳の西矢椛が金メダル。「卓球」混合ダブルスの水谷隼・伊藤美誠が最強の中国ペアを破り、日本卓球史上初の金メダル。「体操」個人男子総合で19歳の橋本大輝が、内村航平の2連覇を引き継ぐ日本勢3連覇となる金メダル。3大会(13年)ぶりに実施された「ソフトボール」で、北京大会に続く2連覇。
どれも印象的でしたが、私が最も興奮したのは「競泳」女子400メートル個人メドレー、200メートル個人メドレーの2冠に輝いた大橋悠依選手です。

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朝日新聞7月26日 朝刊より

大橋選手は25歳で五輪初出場ということで、水泳選手としては遅咲き。平井伯昌監督に見出されて東洋大学に進学するも、貧血などもあって結果が出せず、リオ五輪後に頭角を現しました。五輪前は調子が上がらなかったらしく、金メダル候補に名前が挙がることもありませんでしたが、見事にオリンピックにピークを合わせて400メートルで優勝。200メートルはウォルシュ(米国)とのデッドヒートを制して、タッチの差で優勝。どちらも仕事が休みの日だったので、ハラハラドキドキを味わうことができました。

岸 未希亜

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