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2021.04.29 / 建築と住まいの話

藤沢S邸 見学会レビュー

先日開催した「藤沢市S邸」の見学会は、お陰様で大盛況でした。今回は早くに予約が埋まってしまい、事前に「見学会の見どころ」をお伝えしませんでしたが、遅ればせながらこの家の魅力を紹介します。

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敷地は方位に対して45度振れていて、北西面と北東面の2面で道路に接しています。角地の解放感はありますが、対面に家やアパートが多いので「落ち着かない」と感じました。
残り2面のうち南西隣地には背の高い家が迫っていて、冬の午後は敷地全体が日影でした。南東隣地は着工前の更地で、どのような家が建つかは不明でしたが、空が広く感じられました。

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南西隣地の住宅が午後の日差しを遮るため、1階にリビングをつくることは諦め、2階リビングの家にしました。安易に2階リビングを採用してはいけませんが、北道路で日当たりへの不安がある場合はやむを得ないと思います。南東隣地の家は、北側(こちら側)にカーポートを取ることが濃厚で、当方も隣り合わせの位置にカーポートと庭を配置することで日照・採光を確保しています。

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2階には、ウッドデッキのような広いバルコニーを設けました。リビングが屋外まで延長したように見えるスペースで、「空の下のリビング」です。

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この家のテーマの一つである「フィーカ」は、スウェーデン語で休憩をとること、友人または家族とコーヒーを飲む時間のこと。フィーカに持って来いのバルコニーは、椅子に座った時に周りの視線が気にならないよう板塀を高くし、屋外でもゆっくり寛ぐことができます。

奥様が自宅を仕事場にすること、子供がまだ小さくて部屋の使い方が不確定なことから、主寝室以外の部屋は用途を決めずに「室1/室2/室3」と名付けました。1階には主寝室、書斎、収納、そして当初はワンルームの「室1・2」があります。

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洗面室と浴室が2階にあることに加え、コロナ禍では帰宅直後に手を洗えることも求められるため、玄関の近くに洗面スペースを設けました。壁のタイルが渋くて素敵ですね。リモートワークで必須となる書斎は、デスクカウンターと本棚を造り付けた2帖の部屋。壁をグレーの漆喰珪藻土にして雰囲気を変えました。

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2階はLDK、水回り、「室3」で構成。2階リビングの難点は、子供部屋が1階にあると目が届かなくなることです。だから初めは「室3」を仕事場として使いますが、子供部屋が必要になったら仕事場を1階に移して、ここを子供部屋にします。
LDKの床面積は約18帖ですが、階段の上空もリビング空間と考えれば20帖になり、前述のデッキを加えると更に広く感じます。広ければ良いという訳ではありませんが、延床面積29.2坪という数字だけでは測れない広がりと豊かさを、見学者の方々にも感じていただけたと思います。
また、リビングをダイニングと斜めの関係にし、床を20cm高くすることで空間に「たまり」をつくり、落ち着けて居心地のよいリビングにしました。

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2階をリビングにするにあたり、北欧の文化やデザインが好きな建て主のため、和小屋ではなく登り梁を採用して緩やかな勾配天井にしました。照明や家具などによって北欧インテリアは完成しますが、天井を板張りにした優しい雰囲気も「らしさ」を感じさせます。

岸 未希亜

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