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2021.04.07 / よもやま話

北の国から

「ア~ア~、アアアアア~ア、アア~、アアアアア~」
文字にすると何が何だか分かりませんが(笑)、ドラマ「北の国から」の主題歌「遥かなる大地より」の歌い出しです。先週末に「俳優田中邦衛さん死去」というLINEニュースの訃報に接し、頭の中にこのメロディが流れました。

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40代以上の人なら、「北の国から」を知らない人はいないと思いますが、若い人のために少し解説を。
「北の国から」は、1981年に放送が始まり、2002年に完結したフジテレビ製作のドラマです。まずは連続ドラマとして、1981年秋から1982年春にかけて全24話が放送されました。田中邦衛演じる「黒板五郎」が、長男「純」と長女「蛍」を連れて、東京から北海道の富良野に移り住むところから話は始まります。そして北海道の大自然をバックに、親子3人の1年間の成長や様々な出来事が描かれました。

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「北の国から」メモリアルアルバム(フジテレビ出版)より

都会育ちのこまっしゃくれた「純」を演じたのは当時10歳の吉岡秀隆、健気な妹「蛍」を演じたのが当時9歳の中嶋朋子です。子役の吉岡秀隆による、当時は珍しかった劇中の語りも印象的で、「純」がぼそぼそと喋る「・・・・な訳で」は心に残りましたね。
その後、単発ドラマに移行すると、2人の成長が等身大のドラマとして描かれ、人気に拍車がかかりました。単発ドラマは、「83冬」「84夏」「87初恋」「89帰郷」「92巣立ち」「95秘密」「98時代」「02遺言」と8作品が放送され、最終回の「02遺言」は瞬間最高視聴率45%を記録するなど、国民的ドラマと呼ばれました。脚本は倉本聰、主題歌を初めとした音楽はさだまさしです。

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蛍と同い年の私も「北の国から」ファンの一人で、机の上に黒板ファミリーの人形を飾っています(笑)
しかし、連続ドラマはリアルタイムで見ておらず、単発ドラマの「83冬」「84夏」は、テレビも見られない忙しい中学生だったので見逃していました。
したがって「北の国から」デビューが「87初恋」という、遅れてきたファンであるため、連続ドラマから見ている妻には、にわかファン扱いされています(笑)

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「北の国から」メモリアルアルバム(フジテレビ出版)より

ドラマや映画のロケ地を訪れることは、ファンの楽しみの一つですね。北海道に妻の実家があるため、私も富良野には5~6回行っています。普通のドラマや映画は、様々なロケ地を切り貼りして、物語の世界をつくっていると思いますが、富良野は「北の国から」の舞台そのものです。麓郷という所にロケ地が数多く見られ、中でも黒板五郎が晩年を過ごした「石の家」は抜群の存在感があります。ドラマが終わった後も「北の国から」の世界が冷凍保存されているかのようです。

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「北の国から」メモリアルアルバム(フジテレビ出版)より

この倉本聰が描く「北の国から」の世界は、黒板五郎こと俳優田中邦衛を通じて私たちの心に届けられました。黒板五郎が今も富良野に住んでいるような錯覚、それも含めて本当に大きなドラマだと思います。
田中邦衛さん、私たちを楽しませてくださり、ありがとうございました。

岸 未希亜

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