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2019.12.20 / 建築と住まいの話

出窓から望む特別な景色

先ごろ出版された住宅誌「和モダン」に、当社で建築した住宅が掲載されています。

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掲載されているのは、6年半前に竣工した鎌倉の住宅です。最近はこの本に合う「和」の家が少なくなっているので、ちょっと昔に遡って取材先を決めました。建て主は計画時、小さなお子様を抱えた育児休暇中のご夫婦でした。その時の状況については、臨場感のある本文から引用します。

「鎌倉での土地探しから始まったご夫婦の家づくりは、子どもが生まれ、仕事を再開するまでのわずかな期間に凝縮されています。ベビーカーを押しながら、時間的にも肉体的にも余裕がない中で、それでも大事にしたかったのは、ピンとくる依頼先との出会い。古い建築巡りや、くつろぎの空間で読書をして過ごすことがお好きな奥様が唯一気に入ったのが、藤沢市にある神奈川エコハウスのコンセプトハウスだったといいます。」

そんな建築や美しい空間が好きな奥様は、計画の際にイメージ写真をコラージュした要望ファイルを持参されました。奥様の想いがひしひしと伝わり、設計にも力が入ったことを思い出します。

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家はL型平面で、リビング・ダイニングと和室、そして目隠しの板塀でウッドデッキを囲む間取りです。ダイニング前の全開型サッシと障子を引き込めば、内外の境界が取り払われて自然をダイレクトに感じられます。また、視線を遮りながら風を入れられるウッドブラインドは、簾(すだれ)の進化版ですね。

「和モダン」今号のテーマは「窓と、住まう。」で、その点でもこの家が相応しかったと言えます。
なぜなら、ここは隣に3階建てが建つ可能性のある敷地で、2階中央に吹抜けを設け、東南面にできるだけ大きく窓を設けた採光がテーマの家だから。その一つが前述のハキダシ窓です。一方で道路面(北東面)の窓は、プライバシーを考慮して最小限に抑えました。その2階の窓は、ちょっと変わった出窓になっています。

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「2階寝室には、北向きに斜めに振った出窓があります。そこから見えるのは、約960年前に創建されたという神社の鳥居。控えめに佇む朱色の門を眺めていると、気持ちが落ち着いてくるのだとか。この家の住人だけが味わえる特別な景色です」

初めてこの敷地に立った時、私は「あの鳥居を見たいな」と思いました。そうしたら、奥様からも「鳥居が見られたら嬉しい」という話があり、絶対に実現すべきテーマになったのです(笑)
この出窓からの景色は、通行人が外側から見てもちょっと想像できないもので、建て主と私だけが知るお気に入りの景色になっています。

岸 未希亜

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創業から48年の実績。自然素材を使った健康住宅で地域に根ざす工務店
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