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2019.11.30 / よもやま話

姫路城の想い出

播州龍野まで来たからには、ちょっと寄り道をしない訳にはいきません(笑)
初め、「天空の城」「日本のマチュピチュ」等と呼ばれている竹田城跡に行ってみたいと思いました。この時期は早朝に雲海が見られる可能性もあるとのことで、ブログで紹介できたら最高だったのですが、車がないと余りにも不便なので諦めました。
代わりに行くことにしたのは姫路城。今回で3度目ではありますが、約25年ぶりです。

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今年のGW、松本城の入場が2時間待ちで諦めた経験があったので、世界遺産の姫路城も凄く並ぶかもしれないと警戒していました。しかし観光案内所で尋ねると、平日は混んでいないことが分かり、ひと安心。最初に姫路駅からバスに乗って書寫山(しょしゃざん)へ向かいました。

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書写山(書寫山)の山腹には、圓教寺という天台宗の寺院群があります。中世には京都の比叡山、鳥取の大山とともに天台宗三大道場と称された古刹で、「西の比叡山」とも呼ばれています。圓教寺のある山上へ行くには書写山ロープウェイに乗るのですが、周囲の山は色づき始め、振り返ると遠く瀬戸内海を望むことができました。

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山上駅から本堂(摩尼殿)までは、舗装されていない坂道を歩いて20分かかりますが、坂道の途中に観音像が並んでいたり、仁王門を潜ったり、紅葉が見られたりと変化に富んでいて飽きません。息が上がり始めた頃、眼前に現れるのが摩尼殿です。

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摩尼殿は、崖の上にせり出すように造られた建築で、京都・清水寺と同じ舞台造りです。まだ紅葉の最盛期ではありませんでしたが、下から見上げた光景は圧巻でした。摩尼殿は火災で焼失して昭和8年に再建されたものですが、圓教寺には、国の重要文化財に指定された建築や仏像も数多く残っています。

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この「三つの堂」と呼ばれる大講堂、食堂(じきどう)、常行堂はいずれも重要文化財です。
一方でここ圓教寺は映画やドラマのロケ地としても知られています。代表的なものは、2003年の映画「ラストサムライ」、2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」、2017年の映画「本能寺ホテル」など。特に中央の食堂は、ラストサムライで渡辺謙演じる「勝元」の住居という設定で登場しました。

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書写山圓教寺は紅葉の名所でもあるので、境内を歩くと随所に紅葉が見られました。

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日本人は、紅葉の美しさに「秋」を感じると思いますが、普段なかなか紅葉の名所を訪れる機会はないので、心洗われる貴重なひと時でした。

お城については過去に何度かお話ししていますが、近世に建てられた現存「天守」は全国に12しかありません。そのうち5城(松本城・犬山城・彦根城・姫路城・松江城)が国宝に指定され、ユネスコの世界文化遺産にも登録されているのは姫路城だけです。

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姫路駅から見る早朝の姫路城

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三の丸から見上げる姫路城

私は過去に2回訪れているのですが、初めは中学2年生の時でした。家族で大阪にある祖母の家に来ていたと思うのですが、なぜか姫路城は一人で見に行った記憶があります。その頃、お城とか忍者屋敷に興味を持っていた私は、姫路城に感動して城に目覚めました。親にプラモデルをねだったことも無ければ、こずかいをもらうようになってからガンプラ(ガンダムのプラモデル)を買ったことも無い私が、初めて買ったプラモデルが姫路城だったのです。さらに安土城、松本城、彦根城も作ったと思います(笑)

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このアングルからの姫路城がおすすめ

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姫路城の魅力は、天守の立派さ、美しさもさることながら、天守に近寄らせないための設計(これを「縄張」と呼ぶ)が見事なところです。しかも「縄張」を構成する堀、石垣、塀、門、櫓(やぐら)などがほぼ全て残っているため、天守に攻め寄せる感覚を味わいながら歩く楽しさが「半端ない!」。

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油塀を挟んで左が水一門、右が「ほ」の門

一番のポイントは、埋門(うずみもん)であるトンネル状の「ほ」の門と、折り返した位置にある「水一門」を隔てる、「油塀」と呼ばれる築地塀(ついじべい)のある場所です。敵兵が「ほ」の門を潜って真っ直ぐ進軍するような縄張になっていますが、折り返して水一門を突破しないと天守には行けません。解説がマニアックになってきました・・・(笑)

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2009年から2015年にかけて行われた大天守の保存修理(平成の修理)によって、天守の屋根が漆喰で真っ白になった映像を見た時は「何か違うなぁ」と思いましたが、4年の歳月が経ち、ほど良く黒ずんで良い感じになっていました。まだ姫路城を見たことがない人は、必ず行った方が良いですよ。

岸 未希亜

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