ブログ

2018.05.22 / 建築と住まいの話

青葉台の家 レビュー

先週、2度目の完成見学会を行った「横浜市青葉区R邸」について振り返ります。
見学会のプレビューやイベントチラシ用に写真を撮影したのは4月で、まだ外構工事が残っていました。そのため、なかなか建物外観の写真を披露することができませんでしたが、見学会の前に植栽も入り、来ていただいたお客様はもちろん、通りを歩いている人が立ち止まって見てくださる家になりました。

aobarevi1.jpg
aobarevi2.jpg
発売中の本にも書いていますが、設計の際には、きれいに無理なく屋根をかけ、家が町の中に溶け込むことを心掛けています。幸いにも、建て主からの希望が「外観を和風に」「車の半分でも屋根の下に納めたい」であったため、理想を実践することができました。変形敷地に合わせながら、かつ庭やカーポートを残すために、建物外形は複雑になります。併せて屋根形状も複雑にすることで、軒の出や屋根の重なりが日差しや雨を除ける役割を果たし、そして陰影のある外観が生まれます。
前面道路に車や人の通りが多く、道路を挟んだ向かい側に団地があることもポイントでした。南隣地側は、板塀で目隠ししながら大きな窓で開放的にしていますが、道路面は、窓を減らして視線と西日を遮る形にしています。そのため、正面から見ると窓が少なく、落ち着いた印象を与えていると思います。

aobarevi3.jpg
aobarevi4.jpg
庭に植栽が入ったので、室内から見た景色も綺麗です。4月は板塀や庭木が無かったりして、障子を閉めて誤魔化していましたが(笑)、障子を戸袋に引き込んだ姿も絵になります。明るさを得られ、潤いが感じられ、涼風が家の中を流れ、道路からの視線が気にならない、という4拍子揃った開口部になりました。

先週、建物のお引渡しをした際に、家が出来た感想などをお聞きしたのですが、やはりいつものように、大工をはじめとした現場の仕事を褒めてくださいました。特にお母様は、毎日10時と15時にお茶やお菓子を持って来ていただくなど、大工や監督とのコミュニケーションも十分でしたので、朝早くから遅くまで黙々と働く大工のきめ細やかな仕事ぶりや、段取りや気配りの行き届いた監督の仕事ぶりにも感心されたようです。「これで本当に利益が出るのかしら」なんて言ってくださいました(笑)

aobarevi5.jpg
さらに最近、引っ越して4日目の建て主からメールをいただきました。
「家に居ることがこんなにも心地よく、至福感を感じる事ができるなんて、建てる前は全く想像できませんでした。家にいるのが楽しくて、嬉しくて。もう、外に非日常を求めて出掛けることもなさそうです。見学会の時の(その家に住んでいる:筆者注)奥様が、家があまりにも快適なので出掛ける事が少なくなった・・・と仰っていましたが、出たがりの私もそうなりました(笑)」
「岸さんの設計力、創造力に改めて敬意を感じると共に、このような素晴らしい家にして頂きまして心より感謝申し上げます!」

住んでいただいた後に、このような言葉をいただくことが、私たちの最高の喜びです。

岸 未希亜

Category
お知らせ
建築と住まいの話
よもやま話
ロコハウス
書籍・メディア掲載
Archeives