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2018.01.29 / よもやま話

一枚の絵、一軒の家

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『勇さん(私の名前です)、これ見覚えがありますか。』ある日、家内の実家でのこと。
義理の母からの問いに、見上げた壁に、この水彩画がかかっていた。
 『ええ、もちろんです。母校の図書館です。絵を描きに行かれたのですか。』
 仲間と一緒に時々集まっては、描きに行き、先生級の御仁にアドバイスを受けているようだ。
『ただの初心者ですよ。』と言って照れる母に、無理を言っていただいてきた。
 過去を振り返ることは、少ない方であろう(多分)と思う私であるが、この図書館の絵を見ると、時々は、学生時代の記憶が呼び戻される。


 研究室の教授と仲間。野球の白球を迫った多摩川のグラウンドと茜色の夕陽。。。
 この一枚の絵は、私に学生時代のことやその後の仲間の事を思い出させてくれる。


 さて、当社では、お客様が建築された住宅をご厚意によりお借りし、見学会を開くことが度々ある。昨今は、家族構成の多様化と共に、住宅の間取りも正に多様化している。一人暮らしの方もおられれば、二世帯以上の混成世帯の方もいらっしゃる。当然敷地の条件もバラバラだ。そのような中で、なんとか最適解(仮にあったとしての話だが)を見いだそうとお客様と計画を練り上げていくのは、多大な能力、経験、労力が必要な作業である。 
 画家はその思想、情念といった種々を磨き上げた技法によってカンバスの上に表現するのであろう。その絵は、見る者の目を通して魂に訴えかけ、感動の共感を呼び起こす。

 さて、話を住宅の見学会に戻したいが、住宅を訪問された際の訪れた方々の感想も様々なようだ。ご自身がこの家(他人の家だが)で暮らすことを仮定した上でのイメージをされる方。実際にこの家で暮らされる方の身になり思いを馳せる方。先入観を持つことなしに感じたままの印象、皮膚感覚といったものを大事にされようとする方。建築の技法に関心をもたれており、細部をくまなく観察される方。。。

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一枚の絵が多くの人々に感動・共感を与えることがあるように、一軒の家がそこに住まれる方はもちろんのこと、多くの人々に感動・共感を与えることを願って止まないし、又、それに携わる身であることの責任の重大さを痛感している。
                                   
                       代表取締役  下平 勇       28173630.jpg

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