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2017.09.07 / よもやま話

サッカー日本代表

一昨日に行われた、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選「日本vsサウジアラビア」の試合はご覧になりましたか?
「えっ、先週の日本vsオーストラリアじゃないの?」という声が聞こえてきそうですね。勿論、オーストラリア戦もキックオフに間に合うように帰宅して、夕飯を食べながらテレビ観戦しましたが、深夜2時半キックオフのサウジアラビア戦も、しっかりライブ観戦しました。

オーストラリア戦は、普段あまりサッカーを見ない人もチャンネルを合わせるぐらい注目の大一番でした。ご承知のように、試合はオーストラリアの拙攻もあって日本が2-0で勝利し、6大会連続6度目のワールドカップ出場を果たした訳です。

footjp171.jpg 朝日新聞9月1日朝刊より

一方のサウジアラビア戦は、日本にとってはW杯出場を決めた後の消化試合で、放送時間も深夜2時半ですから、見る人がほとんどいないのも当然です。しかしコアなサッカーファンとしては、オーストラリア戦の結果に浮かれることはできません。翌日が水曜日(休み)だったから出来たことですが、日本代表の現在地を確認する必要がありました(笑)

サウジアラビア戦のスターティングメンバーは、オーストラリア戦のような意外性がなく、MFは離脱した長谷部の代わりに柴崎が入って、アンカーの位置には山口という予想通りの布陣。FWはトップに岡崎、左右に原口と本田という実績のあるメンバーでした。底上げのためには、FW杉本、武藤、DF三浦、GK中村など、もっと新しいメンバーを試せば良いのに、と思ったぐらいです。
オーストラリアがタイに勝ったため、サウジアラビアは日本に勝たなければいけない状況となり、6万人の観衆で埋まったキング・アブドゥラ・フットボールスタジアムは完全アウェイの雰囲気です。

前半は、守備で奪ったボールを柴崎が良い位置で受けて前を向く場面が多かったものの、狙いや連係が不十分で決定的なチャンスに至りませんでした。岡崎は大迫のようにタメが作れず、本田は全く良いところが無かったので、岡崎の代わりに大迫、本田の代わりに久保が出ていれば、得点が入っていたかもしれません。
後半になると、選手交代もあってサウジアラビアが攻勢を強め、日本が守勢に回る時間が増えます。DFの吉田が何度か危なっかしいプレーを見せ、川島が左足で決定的なピンチを防ぐ場面もありました。そして後半18分、中央からパスを繋がれて遂に失点。そこから杉本、久保を投入して反撃を試みるも、1点を守りに入ったサウジを前に効果的な攻撃が繰り出せず、そのまま試合は終了しました。

オーストラリア戦しか見ていない人は、「日本は強い」と思ったかもしれませんが、サウジアラビア戦を見た感想は「日本はもろい、このままではダメ」です。最終予選の結果を見ても、A組1位の日本は勝ち点20、2位のサウジアラビア、3位のオーストラリアはどちらも勝ち点19で、たった1点の僅差でした。一つ間違えば3位でプレーオフに回った可能性もあったのです。

footjp172.jpg 朝日新聞9月7日朝刊より

ところで、いつの頃からか日本人の好きなサッカーは、「ショートパスをつないでボールポゼッション(保持率)を高め、ショートパスのコンビネーションで相手を綺麗に崩して得点すること」になっています。ブラジルへの憧れが強かったせいでしょうか、私もそういうサッカー観で育ちました。
しかし、3年前のブラジル・ワールドカップで「自分たちのサッカー」は無残に散りました。今のところ日本には、厳しい圧力を受けても平然とパスを回せる技術・戦術が備わっていないからです。

専門家の間でも議論の的になる話ですが、「日本人の好きなサッカー」と「日本代表に向いているサッカー」は同じではありません。過去を振り返っても、アジア予選ではボールを支配した主導権を握る戦いができても、世界の強国を相手にするとそれができません。結果を残した南アフリカ大会は、組織的な守備からのカウンターが奏功しました。
ハリルホジッチの戦術も、相手にボールをもたせておいて、厳しいディフェンスからボールを奪い、手数をかけずにゴールを狙うというものです。ただし日本には、味方の力を借りずに独りで突破して得点できるメッシのような選手はいないし、これからも出そうにないので、3~4人が絡むコンビネーションを磨くことは必要です。それが、日本の生きる道だと思います。

footjp173.jpg 朝日新聞9月7日朝刊より

ハリルホジッチは、予選を通じてメンバーや布陣を固定せずに戦いました。来年6月の本大会でどんな戦術を見せるか、誰がスタメンを飾るか分からないところも注目です。サッカー好きの人には共感してもらえると思いますが、自分が選ぶベストメンバーを想像するだけでも、楽しいものです(笑)

岸 未希亜

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