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2016.01.28 / よもやま話

深夜の歓喜

立て続けにスポーツの話題で恐縮ですが、26日夜のサッカーU23(23歳以下)日本代表の試合はご覧になりましたか?リオデジャネイロオリンピック予選を兼ねたU23アジア選手権の準決勝で、日本がイラクに2-1で勝利し、6大会連続となるオリンピック出場を決めました。

U23asia1.jpg   朝日新聞1/28朝刊より

男子サッカーの国別対抗戦としては、4年に1度のワールドカップが最高峰の大会とされ、オリンピックは23歳以下の世界大会に位置付けられています。
したがってヨーロッパでも南米でも、オリンピックのサッカーよりは自国のリーグ戦の方がはるかに盛り上がるのが現実です。国民が総じてオリンピック好きな日本では事情が異なるものの、23歳以下日本代表に知名度の高い選手(本田、香川、長友など)がいないため、今のところ国民の関心もいま一つといった感じですね。

しかしサッカーを愛するコアなファンは、ドキドキしながらこの2週間を過ごしていました。それはこの世代が、U20(20歳以下)ワールドカップのアジア予選をはじめ、何度もベスト8の壁に阻まれ、俗に「谷間の世代」と揶揄されていたためです。オリンピック出場枠が3ヶ国しかないため、過去の実績から考えると相当に厳しい戦いが予想されました。

それでも日本は予選リーグ3連勝でB組1位になり、準々決勝はA組2位のイランと対戦しました。イランは日本や韓国と並ぶアジアの強豪国で、試合は一進一退のまま延長戦に突入。負ければ終わりの緊張感に見ている我々も硬くなるような展開の中、スーパーゴールが3本も決まり、ベスト4に進出しました。
絶妙なポジションニングでフリーになったMF豊川が、DF室屋からのライナー性のクロスボールをヘディングシュート。仕事の手を止めて会社でテレビを見ていた深夜、私は一人で絶叫しました(笑)

U23asia2.jpg   朝日新聞1/24朝刊より

そして準決勝の相手はイラク。イラクはこの世代最強との呼び声もあり、日本も過去の対戦成績は3戦3敗です。
試合はボールポゼッションもシュート数もイラクが上回りますが、日本は相手に押し込まれる展開でも粘り強く跳ね返し、隙を突いて技術とスピードを活かす戦い方が試合ごとに完成度を増していました。
1-1の同点で後半45分を迎え、見ている誰もが延長戦を覚悟した3分間のアディショナルタイム。ここで相手GKの弾いたボールを止めたMF原川が左足を振り抜くと、ボールはイラクゴールに突き刺さりました。この劇的な勝利を寝室で見ていた私は、喜びのあまりベッドを3回叩き、妻に怒られました(笑)

このイラク戦でゴールを決めたFW久保とMF原川が同じ中学出身だとか、オーストリアのクラブで活躍するMF南野と唯一の大学生であるDF室屋が同じ少年団だったとか、この世代が生まれた頃に起きた「ドーハの悲劇(1993年、米国ワールドカップ予選の最終戦でロスタイムの失点によってイラクと引き分け、初出場を逃した日本サッカー史に残る事件)」のリベンジを果たしたという「ドーハの歓喜」とか・・・・マスコミが見つけてくる物語も確かに面白いのですが、手倉森監督に率いられたU23の逞しい戦い方にこそ、もっと焦点を当ててほしいものです。
30日深夜に行われる決勝の韓国戦は、皆さんもぜひご覧ください。

岸 未希亜

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