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2015.11.07 / よもやま話

山内龍雄展

前回のブログで、秋の代名詞として「読書、食欲、スポーツ」を挙げながら、うっかり「芸術の秋」を忘れていました。
仕事で展覧会の運送・設営をしている方から聞いた話ですが、秋になると絵画展などの芸術イベントも増えるそうです。そんな訳で今日は、長野県東御市(とうみし)の梅野記念絵画館で開催中の、山内龍雄展をご案内します。

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現在、当社で記念館を建築中の画家・山内龍雄については、すでに何度かご紹介していますが、オーナーの須藤さんがこの展覧会に際して寄せた文章に端的に表現されていますので、ここに転載します。

山内龍雄は北海道の原野に生まれ育ち、その地に住み続け、画を描き続けた画家だ。まったくの独学で制作を重ね、キャンヴァスを削って描くという独自の方法に行きついた。
私は34歳の時に彼と彼の作品を初めて目にした。私は、彼を紹介するためだけの画廊を作ることを決意し、ギャラリー・タイムを創設した。以降30年、山内は画を描くためだけに生き、私は画商として山内の制作と生活を支えた。二人三脚は続いた。

2013年末、山内は突然この世を去った。アトリエには未完の画が残り、私の元に山内の新作が届くことは無くなった。しかし30年続けてきた「山内龍雄を世に紹介する」という今までの方針を今後も変えることはない。

現在、神奈川県藤沢市に山内龍雄記念館を建設中である。来春の開館を待つこの時期、梅野記念絵画館での展覧の機会を頂いた。

今展では、山内の初期から晩年まで、油彩画、紙の仕事、幅広く紹介する。「山内龍雄」という画家を知ってもらい、またその作品を多くの人に観てもらうことが、「山内龍雄を世に残す」ことに繋がると信じている。


山内さんの作品を評することは、とても私にはできませんが、その画は「静寂」な空気に包まれています。銀座のギャラリーで展示していた時は、その「静寂」な世界が街の喧騒と極めて対比的で、より強く人の心に残ったのだろうと想像します。
山内龍雄展は10月31日にオープニングを迎え、山内さんのファンや芸術に関心の深い方たちが集まりました。翌日には須藤さんと梅野記念絵画館の佐藤雅子副館長とのトークイベントも開催されたそうです。

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また、画を見るのと同時に、美術館巡りも楽しいものですが、梅野記念絵画館はロケーションにも恵まれていて、ロビーからは浅間山を望むことができます。

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・・・・・・息を呑むような美しい景色ですね。

東御市は、上田市と小諸市に挟まれた長野県東部の小さな町なので、私たち神奈川県民には馴染みのない場所だと思います。観光名所としては、北国街道の宿場町である「海野宿(うんのじゅく)」がありますが、ここは重要伝統的建造物群保存地区なので、紙数を割いて後日ブログで紹介します。

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東御市は、軽井沢から少し足を延ばせば行ける距離ですし、来年の大河ドラマ「真田丸」の舞台となる上田市(合併前には真田町という町名もありました)もすぐ隣ですので、晩秋から初冬にかけて信州の旅行を計画される方は、ぜひ梅野記念絵画館にも寄ってみてください。

山内龍雄展の会期は10月31日~1月17日
(月曜休館、12月24日~1月4日は冬期休館)
住所:長野県東御市八重原935-1
アクセス:車/上信越道・東部湯の丸インターから車で15分
電車/北陸新幹線・上田駅でしなの鉄道に乗り換え田中駅下車、タクシー15分

詳細は、山内龍雄展HPをご覧ください。
11月5日の産経新聞朝刊(文化面)でも、詳しく紹介されています。

岸 未希亜

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