ブログ

2015.03.18 / 建築と住まいの話

横浜S邸 完成見学会の見どころ

今週末に見学会を開催する「横浜市S邸」の見どころを紹介します。

建て主とのお付き合いは、今から約1年10ヶ月前に遡ります。建て主ご夫妻は、当社を訪ねてくださった2013年5月から約1年間をかけて、完成見学会に4回、セミナーに4回も参加してくださいました。慌てずにじっくり土地を探しておられた背景もありますが、長期間にわたって定期的に顔を出してくださる中で、当社のつくる住宅や考え方に共鳴してくださったということですので、会社としても大きな自信を得ることができました。

こうして1年後、現在の住まいの近くで候補地が見つかったとお聞きし、私たちは購入前に土地の視察に行きました。

swk01.jpg
swk02.jpg

そこは30年以上前に開発された大きな分譲地の一画で、一つ一つの区画が広く、良好な住環境が保たれている敷地です。ただ、住宅地全体が緩やかな北下がりのため、道路を挟んだ南側の家は見上げるような擁壁の上に造られており、ご夫妻も日当りについて心配されていました。
しかし現地を見たところ、道路も擁壁も思ったほど圧迫感がなく、建物を北側に寄せて南をしっかり空ければ日当りは問題ない旨をお伝えしたので、ご夫妻も安心されたようです。

この家は、2人暮らしの夫婦のために考えられた住まいです。延床面積29.1坪と聞くと小さな家を思い浮かべるかもしれませんが、子供部屋がないので決して狭くはなく、むしろゆとりの感じられる空間です。

1階は、中央に14帖のリビング・ダイニングがあり、東側にキッチンと食品庫が接しています。

swk03.jpg

襖を引き込むとLDKと一体になる和室が北側にあって、全体では25帖以上の大きな広がりになります。また、吹抜けによって2階の窓から入った光が1階の奥へと差し込むので、懸念されていた明るさも十分に確保できました。

キッチンは、現在お住まいのマンションのそれが使い慣れているということで、この家でも左にガスコンロ、右にシンクという並びを踏襲しました。

swk04.jpg

対面カウンター越しに明るいリビング・ダイニングや吹抜けがあり、キッチン自体も南に配置しているので、マンション以上に快適な空間になっているはずです。

2階は吹抜けを囲んで寝室、書斎コーナー、納戸が並ぶコンパクトな間取りです。

swk05.jpg

書斎コーナーは廊下、階段、吹抜けと一体になっているため、広々とした気持ちの良い空間です。ご主人がここで過ごしている時、1階からは姿が見えずに声だけが届き、気配も感じられるということで、夫婦にとってちょうど良い距離感が保たれるのではないでしょうか。

また、明るさを求めつつも、リビングの前には夏の日差しを遮るための庇を設けました。深い軒によって影が生まれ、暑さを和らげる効果が期待できます。それと同時に、2階が小さなこの家は下屋(げや:2階が載っていない平屋の部分)が大きくなっているため、リビング前の庇を含めて屋根が連続します。

swk06.jpg

この家のタイトルは「深い下屋庇のある家」ですが、屋根によって深い軒ができる外観は、日本の気候風土に適った姿ですし、落ち着いた佇まいを見せています。

夫婦2人で暮らす家をお考えの方にも参考になると思いますが、軒が深く、高さを抑えた美しいプロポーションの家が見られますので、ぜひご自身の目でお確かめください。

岸 未希亜

Category
お知らせ
建築と住まいの話
よもやま話
ロコハウス
書籍・メディア掲載
Archeives