ブログ

2014.11.18 / よもやま話

NISHIKORI

先週、男子テニスのATP(プロテニス選手協会)ワールドツアー・ファイナルがあり、深夜、テレビの前に釘付けになった方も多いのではないでしょうか?錦織圭(にしこり・けい)選手の試合はBS朝日で生中継されていたので、私も睡眠時間を削って世界最高峰の戦いを見ました。

「ツアー・ファイナル」とはロンドンの室内コートを舞台に、年間成績の上位8人だけが参戦する、「選ばれた者」だけの大会です。4大大会(全豪・全仏・全英・全米)やそれに次ぐ格のマスターズ大会などの獲得ポイント上位者、四大大会の優勝者などに出場資格が与えられるため、実質的には世界ランキング8位までの選手が出場します。今回は3位のナダル(スペイン)が欠場したため、9位のチリッチ(クロアチア)までが出場圏内となり、5位の錦織選手もアジア人選手として初めて名を連ねました。

nisiko1.jpg

予選は4人ずつ2組に分かれての総当たり戦で、各組2位までが準決勝に進みます。錦織選手の入ったB組は、フェデラー(2位/スイス)、マリー(6位/イギリス)、ラオニッチ(8位/カナダ)という顔ぶれで、ランキング5位の錦織選手と言えども、楽に勝てる相手は一人もいません。

初戦は、過去3戦して全敗のマリーが相手でしたが、苦手意識を全く感じさせず2-0のストレート勝ちを収めました。マリーは最近まで、ジョコビッチ(1位/セルビア)、フェデラー、ナダルと共に「ビッグ4」と呼ばれて別格扱いの選手でしたが、この試合を見る限り、錦織選手の方が格上に見える内容でした。

続く第2戦は、錦織選手が長年あこがれを抱いていたというフェデラーとの対戦。的を絞らせない巧みなサーブや、見ていてため息をつくような華麗なプレーで、フェデラーが錦織選手にストレート勝ちしました。

第3戦は対戦予定のラオニッチが太ももの肉離れで棄権したため、補欠で待機していたフェレール(10位/スペイン)に対戦相手が変更されました。対戦相手変更の影響からか1セット目は落としたものの、サーブが決まり出すなど徐々に調子を上げ、2-1でフェレールを破り、見事に準決勝進出を決めました。

nisiko2.jpg

ランキング通りの順当勝ちにも思えますが、今年に入ってトップ10入りを果たしたばかりの錦織選手が、「ツアー・ファイナル」でベスト4に残ったのは快挙です。深夜2時にもかかわらず、思わず大声で応援していました。

準決勝の相手は、世界ランキング1位で「ツアー・ファイナル」2連覇中の王者ジョコビッチです。

nisiko3.jpgnisiko4.jpg

私も錦織選手の活躍に期待しながら第1セットを見ていたのですが、ジョコビッチは錦織選手のナイスショットをことごとく返球し、容赦ない攻撃で圧倒的な強さを見せました。
世界ランク1位との差はこんなに大きいのか、と意気消沈してしまうほどでしたが、第2セットに入ると錦織選手の攻撃的なショットが決まり始め、ジョコビッチの感覚が狂い出しました。相手の表情が明らかに変わってきたのが、テレビでも分かるほどでした。このセットを6-3で奪った時には、日本人の誰もが「このまま勝てるんじゃないか」と思ってしまったはずです。

nisiko5.jpg

ところが、第3セット最初のゲームでブレークチャンスを掴みながら、自らのミスでサービスキープを許すと、その後はなす術なく0-6でセットを落とし、決勝進出はなりませんでした。

しかしこの大会の活躍を見ると、怪我なく1年間試合に出続けることできれば、来年はランキング上位をキープして「ビッグ3」に迫ることはもちろん、四大大会で優勝することも夢じゃないと思えてきました。

サッカー小僧の私がなぜテニスまで熱く語っているのか、訝しがる方も居られると思います。実は私、高校生の頃からテニスの四大大会を見るのが好きで、テレビでよく見ていました。
当時は、レンドル、エドベリ、ベッカー、ビランデルが活躍していた時代で、エドベリVSベッカーのウィンブルドン決勝は華やかでしたね。私は、ウィンブルドンでは勝てなかったイワン・レンドルが好きでしたが(笑)

エドベリは現在、フェデラーのコーチをしていますし、ベッカーはジョコビッチのコーチです。昨年までマリーのコーチをしていたレンドルは、彼をウィンブルドン優勝に導きました。現在のトップ選手が同時代の名選手に指導を仰ぐのは偶然なのでしょうか?
錦織選手のコーチも、彼らと同時代に活躍した全仏王者のマイケル・チャンです。来年1月に行われる全豪オープンでの錦織選手の活躍に期待しましょう。

岸 未希亜

Category
お知らせ
建築と住まいの話
よもやま話
ロコハウス
書籍・メディア掲載
Archeives