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2013.05.21 / 建築と住まいの話

神奈川の木を巡るバス見学会 2013前編

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当社では平成12年から「神奈川の木で家をつくる会」を主宰し、毎年「神奈川の木」とふれあっていただくイベントを開催しています。

心配されたお天気は、願いが通じたのか曇り空ではあるものの雨は降らず一安心でした。

まずは丹沢山地ヒノキ・スギの森である諸戸林業の自社所有山林へ向かいました。この山林の場所はヤビツ峠より2.5㎞先にあり、100年生檜の森があります。

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今回のバス見学会のテーマは、神奈川県の森林に接し、理解を深めていただくことです。それは、神奈川県の美しい森林を守り、未来へつなげていくことにもなります。

そこで、諸戸林業のスタッフの方による説明の中で印象に残った言葉がありました。

「森を守る為には木を使わなければならない。」

いっけん矛盾しているように感じますが、説明を聞いて納得です。

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間伐材をはじめ、神奈川の木を使うことが、間伐など森林の手入れを進め、森林を守り育てることにつながります。間伐を行わないと地面に太陽の光が届かないため下草が生えず土壌に水を蓄えることができなくなり、結果的に森が荒れてしまうのです。

当社のこだわりの一つである「地産地消・・・神奈川の木でつくる」ということ。私自身、この使命感を改めて強く感じる機会となりました。

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ヒノキやスギに囲まれた山道を進んでいくと、このバスツアーの見所である100年生檜の伐採するポイントに到着しました。

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さっそく、熟練の職人の方が伐採をはじめました。伐採は、まずは谷側から切れ込みを入れます。

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その後、山側に切れ込みを入れ、さらに楔(くさび)を打ち込み倒木します。「バキバキ」と大きな音をたてて倒れていく木の姿は迫力満点です。そして、他の木を傷つけることなく倒木する技術はお見事の一言です。

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伐採された木の木口から香るヒノキの心地よい香りに参加者は惹きつけられます。そして、職人の方のご厚意により切りたてのヒノキをいただくことができました。

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場所を明治に建造された事務所に移して、先日完成した歌舞伎座の舞台の床に採用されたヒノキの床板などを見学しました。その際、歌舞伎座の稽古場に採用されたヒノキの床板は、稽古で何百回と膝をつく衝撃から守るため、一度納品した床板を薄く削ってたわむことにより衝撃を吸収するよう加工し、再度納品したという裏話を聞くこともできました。

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昼食はお待ちかねのBBQです。大自然に囲まれて食べるお肉は格別ですね。

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BBQを楽しんだ後は、バスで移動し神奈川県内唯一の原木市場の見学です。こちらに集められた木材は、入札等によって販売されます。

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先ほど見学した諸戸林業産の木材もありました。赤い刻印が目印です。

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そして、バスツアー最後の目的地は平塚にある当社の工事中の現場です。ここでは構造が確認できます。木が森林から現場に行きつくまでの一連の流れを一日で体験することできました。

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100年前の先人たちの思いが長い年月を経て、ここにカタチとなって思いを伝えているようです。先人たちと自然の育みに心より感謝する次第です。

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後編は、秋に行います「二つの製材所と牧場を訪ねる丹沢の旅」をご紹介する予定です。大分先になってしまいますが、どうぞお楽しみに。

宮澤 伸玄

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