事例紹介

旧家の記憶を留める平屋の家

西側に裏山が迫り、東側に川沿いの田園風景が広がる長閑な場所に、築100年の古民家が、森を背にひっそりと建っていました。その家は、冬は外気温と同じくらい寒く、田園に開く形で東向きに建っていたため、日中も薄暗いことが問題でした。それらの問題を解消することはもちろん、これまで通り、周囲の風景に溶け込むような住宅が求められました。「この家以外に住んだことがない」という建て主の言葉を受け、当然ながら今回も平屋で計画。風通しを阻害する「中廊下」は無くしましたが、ダイニングとキッチンを一つにしてリビングは別にする等、できるだけ旧家の面影を残すことで、ご夫婦の身体に馴染む間取りにしました。また、旧家で使われていた7寸角の大黒柱や、大阪格子戸(障子を取り外しできる格子戸)を再利用する他、室内から眺める景色まで、旧家の記憶を新しい暮らしの中に継承するお住まいです。

竣工時期
2016年2月
用途
住宅
構造規模
97.71㎡〔29.5坪〕  1階 97.71㎡〔29.5坪〕  ロフト 22.35㎡〔6.7坪)
所在地
神奈川県藤沢市