先月末のことですが、昨年末に竣工した住宅の撮影に行って来ました。
当時の見学会でも紹介しましたが、この家には大きく3つのテーマがありました。
一つ目は「お年寄りとの同居」です。
1階は玄関、居間、キッチン、お年寄りの寝室、そして水回りと収納で、床面積は約17坪。一人暮らしの家として、そのまま平屋で建ててもよい大きさです。トイレは、寝室から直に入れる配置で夜の不安を解消し、洗面脱衣室はヘルパーが介助できる広さにするなど、お年寄りの暮らしを最優先に考えてあります。
二つ目は「建設地のロケーションを活かしたゲストスペース」です。
2階は畳の間（ご夫婦の寝室）の隣に8帖の板の間を並べ、襖を引けば一部屋になる造りです。ゲストが大勢集まった時は、部屋をつなげて食事をすることも、布団を敷いてゲストを泊めることもできます。
また、2階からは海を中心とした風景が楽しめるので、下屋の屋根の上に月見台（木製デッキ）を造り、2階の窓から出られるようにしています。
実際にこの一年、何組ものゲストが遊びに来たそうで、この部屋とデッキは大活躍だったそうです。
三つ目は「大寺院の門前に相応しい佇まい」です。
大寺院の門前ということで、すぐ目の前には立派な総門があり、その背後には、さらに立派な山門や本堂が山を背にして建っています。この地に西洋風の家を建ててしまっては、建て主の見識が疑われてしまいます。バルコニーは木製で竪格子のデザイン、境界に立てるフェンスも桧板を使った大和塀にして、景観に十分配慮しました。
この住宅は「屋根上デッキのある家」として、ホームページの「事例紹介＞完成物件」に加わります。ぜひご覧ください。
岸 未希亜
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