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2017.09.19 / 建築と住まいの話

雑誌掲載のお知らせ

現在、書店に並んでいる「Home & Decor(ホーム&デコール)Vol.5」に当社で建築した住宅が掲載されました。前号に続き、「読者が選ぶ、住みたい家のグランプリ」にノミネートされています。

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掲載されたのは、今年の1月と2月に完成見学会を行った鎌倉の住宅です。当時のブログでも「見どころ」を紹介しましたが、特筆する点を改めて記します。

一つ目は、自然を身近に感じられる間取りや窓の配置です。敷地は谷戸(やと:尾根に挟まれて谷が深く入り込んだ部分)と呼ばれる鎌倉特有の場所にあるため、背後に山が迫った自然豊かな環境です。開発分譲地で道幅が広く、風致地区の壁面後退制限もあって、一つ一つの区画にゆとりのある恵まれた住環境のため、道路側の開放感や北側の眺望を活かす設計が求められました。

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二つ目は、建築家の中村好文さんに思いを馳せて計画したことです。奥様が中村さんの住宅に好感を抱いていて実際に連絡もされたのですが、条件が合わずに断念することになったため、私の設計を中村さんに寄せてみようと試みました。
中村さんは「普通のいい家をつくる」と評される、建築家らしくない建築家です。建築家住宅は、とかくデザインが主張し過ぎて嫌味になりがちですが、中村さんは生活のリアリティを押さえた何気ないデザインで、住まい手に「緊張」を強いることがありません。その中村さんの生み出す空間や、遊び心を意識しながら設計したので、普段とひと味違った住宅になりました。

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三つ目は、ご主人にお任せした色使いです。美術大学を卒業しているご主人は、たいへん絵が上手で、見学会等に参加された時も、細部の納まりやデザインに目が行く、繊細な感覚をお持ちでした。私も中学生までは絵を描いていたので、色彩感覚には自信のある方ですが、今回ばかりはご主人の感覚に委ねました。
デザインを邪魔しないように、この家では建具も木の框戸ではなく、クロス・和紙を貼るフラッシュ戸を多用しているのですが、ご主人はほとんど色を付けずに白基調にされました。天井のほぼ全面が杉板で、壁とのコントラストが強いため、それ以上の色は不要と判断したようです。私も勉強になりました。子供室からダイニングを見下ろすための小窓が、唯一の差し色になっていて効果的です。

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「住みたい家のグランプリ」は、雑誌「ホーム&デコール」のホームページから、投票期間内(7月15日~10月31日)に誌面のエントリーナンバーで投票する仕組みです。エントリーナンバー09「親世帯と古桜をつなぐ、こだわりぬいた総二階の家」と、エントリーナンバー21「温かみと美しさが同居する空間、恵まれた自然環境にひらく家」が当社で建てた住宅です。神奈川エコハウスを応援してくださる皆様、投票をよろしくお願いします(笑)

この住宅は、<別荘のような普段着の家>として、近日中にホームページの「事例紹介」に加わります。お楽しみに。

岸 未希亜

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