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2017.07.30 / 建築と住まいの話

大舞台での講演

今月初めに、フクビエアサイクルの全国大会がありました。エアサイクル部材を販売している加盟店と、エアサイクル住宅を建てている工務店が集まる、年に1度のイベントです。昨年はフクビ本社のある福井市で行われましたが、今年は例年通り東京で開催されました。

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フクビ化学工業の社長挨拶に始まり、前半は表彰式や基調講演が行われ、後半は会場を移して、情報交換懇親会(立食パーティー)が行われます。表彰式では、エアサイクル住宅の施工棟数が多い工務店が表彰されるのですが、今年はフォトコンテストで最優秀賞を受賞した工務店も表彰されました。
「フォトコンテスト最優秀賞、ペニンシュラリビングの家。有限会社 早川工務店様」というアナウンスが会場内に響き、早川さんが登壇。

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スポットライト浴びて、早川さんも少し緊張しているようでしたが、表情は誇らしげでした。設計者の名前こそ読み上げられませんが、私も一緒に受賞した気持ちで嬉しかったです。

基調講演は2本立てで、1つ目は「木-Lism の意義と展開」というテーマで私が壇上に上がりました。木-Lism については、1月末の視察研修会でも講演をしていますが、今回は工務店経営者が多いことに加えて、フクビ化学の社長、役員、社員も大勢参加しているので、少し内容を変えての講演です。

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2つ目は「暮らしを豊かにする庭づくり」というテーマで、RE FACTORYの小林純氏が登壇しました。家を「ウチ」、庭を「ソト」と呼び、美しく豊かに暮らすためには、ウチとソトの繋がりが大切であり、それは日本の暮らしの美学であるというお話です。当社も家づくりには庭の役割が重要だと考えているので、非常に共感できました。さらに講演の中で言われた「庭(ソト)づくりは、町を自然に戻す作業」という言葉が印象的でした。自然を壊して人工的に造られた住宅地を、微力ながら自然に戻すという考え方は、確かに必要なことですし納得できますね。

ところで皆さんも、大勢の聴衆がいる会場で講演をすることなど滅多にありませんよね。私も「住まいの教室」やその他の住宅セミナーで、10人前後の聴衆に向けて話をしたことは何度もあります。しかし150人以上の人を目の前にして話をするのは7年ぶりでした。
実は今から7年前、神奈川エコハウスに入社した翌年の全国大会で、いきなり基調講演を任されたことがあります。新しいコンセプトハウスが完成し、グループ内でも注目されていた当社の家づくりを、デザイン面から解説する内容でした。当時は、コンセプトハウス以外に自分が設計した住宅がまだ1棟も竣工していなかったため、実例写真も少なく、参加者の中には私のことを知らない人も多かったはずなので、「無茶ぶりだな~」と思ったことを覚えています(笑)

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舞台に上がる時は最初の「つかみ」が肝心ですが、当時の私には荷が重かったので、最初に当社社長に話をしてもらい、場を温めてもらいました。

その後、前述の「住まいの教室」以外に、エアサイクル研修会での講演を数回、エクスナレッジ(出版社)主催の「世界で一番受けたい木造住宅の授業」、山梨県建築士会他が主催した木造学校の授業等で、40~100人規模の講演も経験し、大勢の前で話をすることにも慣れてきました。
この日は、表彰式後に壇上で挨拶された千葉建設(岩手県)の社長が、「今日は私の誕生日なんです」と話していたのを聞き、初めに「千葉社長、お誕生日おめでとうございます」から入って、場を和ませることに成功。講演中も、レジュメに書いていない余話を加えて笑いを誘ったり、時間通りにぴったり終われたので、大いに自己満足しました(笑)

私には、元大学教授で講演のプロフェッショナルでもある伯父がいます。市町村、中学校、高校、企業はもちろん、お坊さん相手に講演することもあるそうで、「誰も話なんて聴いてやせん」と、つかみを大切にし、話は脱線の連続だとか。それに比べれば私の場合、聴く意思を持って来てくださる方ばかりですから、遥かにハードルは低いですね。次の目標は、話を上手く脱線させることでしょうか(笑)

岸 未希亜

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