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2015.12.07 / よもやま話

悲喜こもごも

久しぶりにサッカーの話題を少々。ワールドカップでのラグビー日本代表の活躍以来、国内ラグビー(トップリーグ)の結果までニュース映像で流されていますが、国内サッカー(Jリーグ)の盛り上がりも負けていません。この週末には大きなドラマがありました。

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先ずJ1では、2004年以来11年ぶりに2ステージ制+チャンピオンシップが復活しました。野球のクライマックスシリーズのように、あるいは数多くのアメリカンスポーツのように、リーグ戦の結果は予選のような扱いで、シーズン終盤にチャンピオンを決めるトーナメントが行われます。高校野球(甲子園)に代表されるような、ノックアウト方式のトーナメント戦が大好きな日本人には、分かりやすく盛り上がりが期待できる方式ですが、リーグ戦の首位チーム(1番強かったチーム)がチャンピオンになれない事態も起こり得るため、賛否両論は以前からありました。

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そこで大会方式は、リーグ首位(年間勝点1位)チームが最優遇され、各ステージの優勝チームはリーグ2位・3位(年間勝点2位・3位)と予選を戦い、勝ったチームとリーグ首位が戦う中途半端な形を取りました。そうして今年の結果を見ると、第1ステージ優勝がリーグ2位の浦和レッズ、第2ステージ優勝がリーグ1位のサンフレッチェ広島、リーグ3位はガンバ大阪となり、単にリーグ戦の1位から3位が改めてプレーオフを行うという、プロ野球のクライマックスシリーズ同様に意味の見出せない戦いになりました。

ご存知の方は少ないと思いますが、サンフレッチェ広島は予算規模の小さな育成型クラブ(自前で選手を育てて戦力にする)です。それに対して、浦和レッズとガンバ大阪は予算規模の大きなビッグクラブで、いい選手を集める資金力があり、両者ともサッカー専用スタジアムがあります(ガンバ大阪は来年から使用)。一方、広島のメインスタジアムは市内から遠い陸上競技場で、観客が満員になることは滅多にありません。
そして何と言ってもここ数年、広島の選手が次々に浦和に移籍して(引き抜かれて)いくのですから、判官びいきと言われようが、サンフレッチェ広島に肩入れしたくなるのが人情というものです(笑)

試合結果は・・・準決勝は、ガンバ大阪が浦和レッズを3-1で退け、決勝に進みました。決勝はホーム&アウェイの2試合を戦い、第1戦は大阪で、サンフレッチェ広島がガンバ大阪を3-2で破り、第2戦は広島で、1-1の引分けに終わり、無事に(笑)サンフレッチェ広島がチャンピオンになりました。

Jhiki3.jpg 朝日新聞12月6日朝刊より

第1戦終了間際の逆転劇を振り返ってしまうと長くなりそうなので、今日は割愛します(笑)ここ4年で3度の優勝という輝かしい実績を残した監督は森保一(もりやすはじめ)。ドーハの悲劇を味わった元日本代表です。

続いてJ2ですが、こちらはJ1昇格をかけた争いです。今シーズンの成績により、優勝の大宮アルディージャ(86)と2位のジュビロ磐田(82)が自動昇格を果たし、3位のアビスパ福岡(82)、4位のセレッソ大阪(67)、5位の愛媛FC(65)、6位のV・ファーレン長崎(60)がプレーオフを戦いました(括弧内の数字は勝点)。3位と6位、4位と5位が戦う1回戦で、各々上位チームが勝ち(引分けの場合、リーグ戦上位チームが勝ち抜け)、決勝戦のカードはアビスパ福岡VSセレッソ大阪に決まったのですが、ここでも大きな問題が・・・

年間3位のアビスパ福岡は、2位のジュビロ磐田と勝点82で並んだにもかかわらず、得失点差という僅かな差で3位となったチームです。ルール上は仕方のないことですが、4位以下のチームに大きな差をつけながら、このトーナメントで敗れると来年もJ2で戦わなければならないのは、選手の気持ちになってみるとやるせない思いがあります。
さらに酷いのは、決勝の舞台が対戦相手のセレッソ大阪のホームスタジアムで行われたことです。準決勝は上位チームのホームで試合をするのですが、決勝は中立地で行う決まりがあるにもかかわらず、観客動員数等の規定や諸般の事情により、Jリーグが10月に発表(すでに3月には決まっていたらしいですが)。
年間勝点のハンデを考えれば、福岡のホームでやってもいいぐらいの状況でこの仕打ちは酷い。判官びいきと言われようが、アビスパ福岡に肩入れしたくなるのが人情というものです(笑)

試合結果は・・・セレッソ大阪にリードを許した絶体絶命の後半42分、アビスパ福岡の劇的な同点ゴールが決まり、5年ぶりのJ1昇格を果たしました。

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監督は就任1年目の井原正巳(いはらまさみ)。ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜(ワールドカップ初出場)を経験した元日本代表のレジェンドです。

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最後に2年前にスタートしたJ3について。
今年の優勝は、4部にあたるJFLから昇格したばかりのレノファ山口(山口県)で、J2への自動昇格を果たしました。そして2位となったFC町田ゼルビア(東京都)は、J2で21位の大分トリニータと入れ替え戦を行いました。

町田市は昔からサッカーが盛んな地域で、数多くのJリーガーを輩出しています。町田ゼルビアは2005年まで東京都リーグに所属し、2006年に関東リーグ2部昇格、関東1部を経て、2009年から全国リーグのJFLに参戦しました。
私がまだ真剣にサッカーをしていた2006年、天皇杯東京都予選(社会人)のベスト8まで勝ち上がり、関東2部に昇格したばかりの町田ゼルビアと対戦したことがあります。当時からJリーグ参入を目指していた町田は、元Jリーガーなどを補強していたので手に負えない強さでしたが、1-4と善戦したことが今となっては自慢の一つです(笑)

入れ替え戦の結果は・・・ホーム&アウェイの2試合とも町田が勝利を収め、J2昇格を果たしました。敗れた大分は3年前までJ1にいたのですが、坂を転げ落ちるようにチームが弱体化し、遂にJ3へ降格。チームの存続が危ぶまれます。
FC町田ゼルビアの監督は就任2年目の相馬直樹(そうまなおき)。ワールドカップ初出場を果たした元日本代表のサイドバックで、私と同い年。鹿島アントラーズでも活躍した相馬は、同年代のサッカー選手にとっては雲の上の存在ですが、同じ大学に通っていたので一緒に体育の授業を受けていました(笑)

岸 未希亜

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