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2015.09.24 / 建築と住まいの話

横須賀T邸 完成見学会の見どころ

今週末に見学会を開催する「横須賀市T邸」の見どころを紹介します。

初めに言ってしまうと、この住宅は見どころ満載です。

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先ずは屋根、外壁、窓、玄関戸、デッキなどの外周りが、いつもと違う特別仕様であること。室内は、柱や梁をあらわした真壁の空間に、自然素材の仕上げが調和したいつもの雰囲気ですが、和室や洗面室の造りはひと味違います。そして、リビング、キッチン、和室から望む景色が絶景なのです。

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この家は「富士山を眺めて暮らす家」です。以下に挙げるように、他にも多くのこだわりが詰まっている家なのですが、「富士山を眺める」という条件で土地を探し、辿り着いたのがこの場所でした。
ところが、長閑な環境にもかかわらず準防火地域だったため、2階は窓を全開することができません(隣地境界から規定の離れが必要なため)。当初から思い描いていた2階リビングは諦めるしかありませんでした。開口部の全開は1階でも際どかったのですが、この「富士山を眺める窓」が設計の出発点だったことは間違いありません。

建て主が当社を知ったのは、雑誌で見かけたからだそうですが、初めの連絡は、「伝統工法で建てることはできますか」という質問でした。金物を使わないとか、柱を石場立てにするとか、建築基準法にとらわれないで、昔ながらの伝統工法に取り組んでいる人たちはいますし、その伝統工法を認めてもらえるように国への働きかけも行われています。しかしながら、一般住宅で取り組むにはまだまだハードルが高いため、お客様と話し合って、金物を使いながらも、大工の技術力を活かした造り方を選択しました。
また、建て主は海外での仕事経験も長く、日本の良さは「職人の手仕事」にあり、これを残していかなければ日本は滅びるとまで仰いました。そういう目で見ていただけると、「職人の手仕事」の結集である神奈川エコハウスの家づくりは、お客様の希望に叶うものだと思います。

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この建物では、柱や梁といった構造部材を大工の「手刻み」で一つ一つ丁寧に準備しました。

さらに、建て主は「地球と地球生物の共存」という命題を家づくりにも投影。環境負荷の少ない自然素材を使うことはもちろん、エネルギーの自給自足も大きなテーマでした。残念ながら、家庭用蓄電池の導入には時期尚早だったので断念しましたが、屋根に太陽光発電パネルと太陽熱温水器を搭載することで、できるだけ供給電気に頼らない生活を目指しています。

tis5.jpg 蔵戸を再利用した玄関/造り付けの洗面台
tis6.jpg 家具造りの掘りごたつ/全開する木製サッシ

現場は見学会前の大詰めを迎えています。そのため写真は部分の紹介になってしまいましたが、ぜひ実際に建物と景色をを見に来てください。当日は天気も持ちそうなので、素晴らしい景色が見られることを期待して・・・

岸 未希亜

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