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2015.08.28 / 建築と住まいの話

旧東海道関宿

8月も下旬に入り、夏から少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。
皆さんはこの夏いかがお過ごしでしたか。
私は盆休みに帰省しましたが、途中で関宿という旧東海道の宿場町に立ち寄りました。旧東海道には、日本橋から京都三条大橋までの間に53宿ありますが、関宿は日本橋側から数えると47番目の宿です。関宿は三重県亀山市にあり、鈴鹿サーキットや伊賀忍者の伊賀などが近郊にあります。


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関宿(玉屋前にて写す)


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関宿


私は古い街道や町並みを歩くのが好きですが、最近は、よくその地域での特徴的な細部を注意して観察するようにしています。古い町並みは、ともすると何処でも同じように見えがちですが、昔は今と違って風雨をシャットアウトするガラスや、暑さ寒さを調整するエアコン等はなかったので、地方によっては、気候に対するチョットした工夫があったりします。
今回も観察してみたところ、関宿では「幕板」というものに目がいきました。

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町家の幕板(彩色部)


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幕板断面(彩色部)


幕板は横降りの雨を防ぐもので、1階の庇の下に取り付けられています。正直言って、この地方がよく横降りの雨が降るのか、通りすがりの旅人には分かりませんが、何軒もこのような板を付けている家があったので、やはりそれなりの効果があるのだと思います。
また気候とは関係なく、今回もう一つ気になったものが「庵(いおり)看板」です。


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お菓子屋の庵看板(2階部分)


現代でも、縦長の看板はよくビル等に付いていますが、瓦屋根が付いているのはあまり見かけません。看板にわざわざ屋根が付いているところが、凝っているなあ、と思いました。
ガイド本によれば、関宿は旧東海道で最も江戸時代の面影を残す宿ということですので、もし機会があれば行ってみてください。私自身ももちろんお勧めします。

  坪田将浩

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