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2015.01.06 / 建築と住まいの話

冬の京都

初めまして。昨年入社した坪田と申します。今日はこの冬休みに訪れた京都について書きたいと思います。
なぜこの寒いときに京都?と思われる方もいるかもしれませんが、私の実家は神戸にあるので、年末の帰省の際にはいつも、京都に行くのが私の年中行事の一つになっています。また京都には趣のある町屋の宿が多くあるので、できれば神戸に帰る前に、京都市内の町屋の宿に一泊するようにしています。だいたい選ぶのは普通の宿ですが、朝食で出される料理は京都ならではのものなので、いつも楽しみの一つになっています。今回は高台寺の近くに宿を予約し、観光で高台寺に行きました。
高台寺は去年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で黒木瞳演じる豊臣秀吉の妻(北政所、ねね)が、秀吉の死後、菩提を弔うために開創した寺で東山地区にあります。ここには千利休作と言われる茶室「傘亭・時雨亭」が境内の奥の高台にあります。

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上の写真は傘亭・時雨亭に向かう階段で撮影しました。たまたま和服姿の女性方が前を歩いていましたが、京都は和服姿がよく似合いますね。
それはさて置き、茶室は写真の中央に見える柵の向こうにあります。茶室は基本的に、茶室の中から周りの風景を見ないような造りが多いので、平地にあることが多いと思うのですが、ここは高台にあって変わっています。

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時雨亭


2亭のうち、傘亭は特に周りの景色を考えた造りにはなっていませんが、時雨亭は中から周囲が見られるよう開放的です。また1階が水屋で、2階が茶室という珍しい作りになっています。中に入ることはできませんが、建物の周りをぐるりと回ることができます。また、現在は周りに木が生い茂っていて少し見通しが悪いのですが、東山の高台にあるので、以前はもしかしたら2階の茶室から大阪城も見えたのでは?という寺のガイドさんのお話でした。(遠くを見るにはもう少し蔀戸を上げる必要があるかもしれませんが。)

年が明けて1月2日にも実家からですが、京都に行きました。元旦に雪が降ったということで、神戸から電車で京都に近づくにつれ、窓から見える屋根や路面は雪景色に変わっていきました。
この日は南禅寺に行きました。場所は高台寺よりも少し北にあり、近くに地下鉄の駅があるのでそこまで電車で行って、駅からは歩いていきました。歩道には10㎝くらい雪が積もっていて、とても歩きづらかったのですが、思ったよりも観光客は来ていました。
南禅寺では、塔頭の金地院・天授庵と寺の境内にある南禅院など、主に庭園があるところを見て回りました。

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天授庵内の回遊式庭園


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南禅院の回廊


庭園には枯山水や回遊式のものがありましたが、枯山水庭園の場合は、雪が降ると砂の模様や石が見えなくなり、庭の意図する世界が分かりづらく、雪があるから趣があるという感じではありませんでした。一方で回遊式庭園の場合は、木々の枝や灯篭の頭に雪が積もる中、コイが泳ぐ池の周りをぐるりと歩いて巡っていくものですから、(滑らないよう気を付けたり寒かったりはしますが)、侘び寂びといった感覚だとは思いますが、紅葉の時期とはまた違った感覚を味わうことができました。
冬の京都は寒いので必ずしもお勧めはしませんが、それを覚悟で訪れれば、またいつもとは違った京都に出会えるかもしれません。


坪田 将浩

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