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2012.11.29 / よもやま話

紅葉狩り(前篇)

このところめっきり寒くなってしまい、秋はどこかへ行ってしまったような気配です。少しでも秋を感じたいという気持ちから紅葉狩りに行ってきましたので、皆様にも「お裾分け」したいと思います。

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初めに訪れたのは岐阜県多治見市です。
多治見では、今夏にモデルハウス兼新居が完成した早川工務店とのコラボレーションで、すでに設計を終えて上棟した住宅が1棟、これから計画を始める住宅が1棟あります。そのレポートは日を改めるとして、この日は早朝に家を出て、打合せ前に虎渓山を訪れました。

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虎渓山は、臨済宗南禅寺派の永保寺とその塔頭寺院3寺で構成されている、禅宗の雲水(修行僧)が魂の成就を目指す修行の場です。本来は観光地ではないのですが、岐阜県下でも有数の景観と、国宝などの文化遺産を保有するため、境内は無料で開放されています。(上写真は国宝の観音堂です)
この日は3連休後の平日にもかかわらず多くの人が訪れていましたので、連休中は恐らく観光客で溢れかえっていたことでしょう。
それでは息を飲むような紅葉をお楽しみください。

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池を配した国指定名勝庭園があり、水面に映る紅葉が色鮮やかでした
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永保寺境内のすぐ脇には土岐川が流れており、この土手の紅葉も見事でした

次に訪れたのは滋賀県長浜市(旧伊香郡木之本町)です。
2010年の大合併で長浜市に編入されてしまいましたが、滋賀県北東部(琵琶湖東岸)に位置する「木之本」は交通の要衝で、北国街道の宿場町として栄え、また目の仏様として参拝者が絶えない木之本地蔵院(浄信寺)の門前町でもありました。この両者が混じった賑わいのある町並みは今もその面影を残しています。

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紅葉を目指して木ノ本駅からバスに乗ります。ちなみにバスは1日に片道9本しか運航していないので、旅行計画は綿密に立てなければなりません。旅行計画の得意な私ですので、そこは抜かりありませんが(笑)

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バスに揺られること15分で山裾の参道入口までやって来ました。長浜市(旧木之本町)の東側は岐阜県に接する山間地ですが、この辺りは琵琶湖に近いので山と呼ぶほどの険しさはありません。お年寄りでも十分に歩ける散策コースがあって、やはり平日にもかかわらず、多くの年配者が紅葉見物に訪れていました。

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生憎、当日は朝から雨が降っていたため、午前中に岐阜県内で打合せをしていた私は、今日の紅葉狩りを半ば諦めていました。しかし町並みだけでも見たかったので木之本まで足を運んだところ、雨がほとんど上がってきたために予定通り「鶏足寺」まで行くことにしたのです。
鶏足寺(旧飯福寺)は伝承によれば天平7年(735年)に行基が開基したという歴史の古い真言宗の寺院でしたが、昭和8年に焼失した後は廃寺となっているようです。坂の頂に形ばかりの寺があるだけで、坂の両脇のひな壇状の敷地には、寺院建築の痕跡だけが残っていました。しかし地元の人たちによって寺や参道が管理されているため、非常に素朴かつ美しい紅葉を見ることができました。

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歩いて5分ほどの隣りに、これも奈良時代創建で現在は住職のいない石道寺があります。本数は少なかったのですが、こちらも風情のある紅葉が見られました。

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事前の調べではこの参道の距離感が分からず、現地2時間強滞在の予定を組んでいましたが、意外と距離が近かったために一本前のバスに乗れそうな感じがありました。そうすると滞在時間40分でバス停に戻らなければなりませんが、紅葉の見事さについつい撮影時間が延びてしまい、必死に走ったにもかかわらずバスに乗り遅れてしまいました。次のバスは1時間半後です(涙)
タクシーも通らないような田舎道なので、しかたなく木ノ本駅まで歩くことにしました。45分ぐらいで着くことができたのですが、再び雨が降り出してきたために「泣きっ面に蜂」という言葉がぴったりでした。(後篇につづく)

岸 未希亜

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