仕事の関係で神戸や金沢でも暮らしていた建て主は、定年を迎え、安住の地に鎌倉を選びました。離れて暮らしていた社会人の子供2人も、この終の棲家に集結し、賑やかな家庭が戻っています。
敷地は山に囲まれた谷あいの地形で緑豊かな環境ですが、東西に長い形状のため、隣に家が建つと日照・採光が得られません。そこで「町家」の知恵を活かし、中央南に坪庭を造り、それを取り囲むようにリビング・ダイニング、和室をコの字型に配置しました。さらに、2階をL字型にすることで東側に開き、光と風をより多く取り込む工夫がされています。
プライバシーを確保するため、ダイニングの南面はあえてふさぎ、坪庭から採光します。また炉が切ってある和室は、茶道をたしなむ奥様のための「茶室」で、坪庭が露地の役割を果たします。このように坪庭は、家中どこからでも楽しめる癒しの空間になっているのです
- 竣工時期
- 2014年4月
- 用途
- 住宅
- 構造規模
- 112.42㎡〔33.9坪〕 1階 62.74㎡〔18.9坪〕 2階 49.68㎡〔15.0坪〕)
- 所在地
- 神奈川県鎌倉市