今週末に見学会を開催する「横浜市金沢区S邸」の見どころを紹介します。
このプロジェクトの最大の特徴は「建て主が建築士」ということと、その「建て主との共同設計」で造った住宅ということです。
建て主は建築設計の仕事をしている同業者です。ただ、住宅は専門外ということで、自身が全てを設計するのではなく、設計のできる工務店を探していました。当社以外にも幾つかの工務店を回り、比較検討した結果、神奈川エコハウスがパートナーに選ばれた訳です。
当社は過去にも何度か、ゼネコンの営業職や設計職、施工職の方々から家づくりを託されたことがあります。それは、建物の品質や現場の技術力が、同業者から支持されている証だと自負しています（笑）
古家が建っているのは、整然と区画され、敷地も道路幅も広くて余裕のある住宅地です。北側道路ですが間口が広いため、家の横にカーポートを取ることができ、建物は「矩形平面の総2階」というシンプルな形にすることができました。
1階は南側にLDKを並べ、北側に玄関、収納、水回りをまとめました。木製の玄関ドアを開けると4帖の広い玄関があり、正面には可愛い小窓、無垢板扉の下足箱がL型に連続します。左側の引戸を引くとリビングに出て、右側には洗面コーナーがあります。洗面コーナーは、トイレ、脱衣室、ファミリークローゼットへの動線の起点になっていて、ファミリークローゼットの奥にパントリーがあり、その先がキッチンです。
室内は見ての通り、柱を全て隠した大壁の空間です。現代では大壁の家が主流なので、皆さんにとっては「普通」だと思いますが、私にとっては新鮮です（笑）
ただ、大壁の家も何度か手掛けてはいますが、今回は廻り縁を無くし、枠材も小さく目立たなくして、建具も全てシナフラッシュの吊り戸にするなど、よりモダンな印象に仕立てました。
2階は南側に大きな吹抜とスタディスペースがあって、その周りに寝室、子供室、和室が並びます。階段と一体になった約8帖の吹抜がリビングの上にあるので、明るさと開放感が非常に大きくなっています。
限られた予算で家を建てるにあたっては、「大きな吹抜」を取ることはなかなか難しいのが現実です。でも思い切って大きな吹抜を取れば、こんなにも気持ちの良い空間になるということを、この家で再確認しました。
当社のスタンダードとは少し違った、建築家住宅のようなデザイン性の高い住宅に興味のある方は、ぜひご覧ください。
岸 未希亜
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