今週末に見学会を開催する「鎌倉市M邸」の見どころを紹介します。
建て主が当社を訪れたのは今年の2月末でしたが、ちょうど完成見学会が連続している時期だったので、実際に建てた住宅を続けて見ることができたのは幸いでした。すでに幾つかの会社を見ていたため、当社の質の高い家造りを実感していただけたようです。
敷地があるのは、鎌倉市の中心部で観光客も多いエリア。短冊状に区画された間口の狭い敷地に建っていた建売住宅は、北側道路で三方の隣家が目の前に迫るため、日当たりが悪く、1階がとても暗いことが難点でした。この狭小地に建つ暗い家を、明るい家に建て替える計画です。
元の家が隣家と対称のプランになっているため、カーポートの位置と家の形は大きく変えられません。そこで、元の家では道路側の細い部分にあった水回りを2階に上げ、代わりに玄関回りの収納スペースを充実させました。
1階の面積は11.5坪（23帖）しかありませんが、リビング階段にして廊下を無くし、LDKは15.5帖の広さを確保しました。採光や開放感を考えると2階リビングにしたくなる立地ですが、暮らしやすさを重視して1階リビングにしたので、南東角に設けた吹抜からの採光と立体的な広がりが、この家の要です。
また、LDKの北側にデスクカウンターを造り、奥様のスタディコーナーにしました。リビングとの間に、椅子に座ると人が隠れる高さで本棚を造り、スタディコーナーの囲われ感とリビングの開放感を両立しています。
限られた空間を広く使うため、対面キッチンにはせず、L型の壁向きキッチンにしました。システムキッチンを使わずに造作キッチンにしたのは、BOSCH（ボッシュ）の食洗機を採用するためです。現在、工事中の住宅や着工前の案件でも、海外製食洗機の採用が増えています。
2階は浴室・洗面室などの水回り、寝室、フリースペース、ロフト吹抜（吹抜の天井を低くしてロフトを造る）で構成しています。南西角に設けた吹抜は、1階だけでなく2階居住スペースの採光にも寄与し、吹抜の上にはロフトを造って空間を有効活用しています。
完成したのは総2階で23坪という小さな家ですが、住宅が密集した狭小地に建っていることを忘れさせる明るさがあり、建て主の暮らしに寄り添った豊かな空間が広がっています。
岸 未希亜
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